幼稚な彼女③【須堂夏樹】 (ページ8)

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「春菜さん･･･?!」

その姿はとてもこの会場では目立っていて、とても驚いた。

春菜さんはメガホンを通して、話し始めた。

ツバメ「さぁ、みんなでバカになろう!!これを着て、一緒にカバ･･･あっいや、バカになって戦おう」

そう言って、春菜さんは生徒会のみんなの方に、ピンク色の巾着袋を投げた。

その中からは、ピンク色のゼッケンが出てきた。

いるま「なんだよ、このゼッケン」

そのゼッケンには、モテてーの文字と春菜さんがかぶっているのと同じカバのイラストが書かれていた。

ツバメ「10分、10分だけでいい。一緒にバカになってみませんか?」

そして、春菜さんはこっちを向いた。

ツバメ「本気になるなんてカッコ悪い。それは、ダメだった時の言い訳が欲しいから。せっかく本気になったのに、もしダメだったらどうしよう、そんなこと考えて保険をかけて自分を守る」

今度は、私たちでもなく生徒会のみんなでもない、観客席にいるみんなの方を向いた。

春菜さんはとても心に響く演説を、思いを込めて話した。

その後、春菜さんは黙った。

そして、今まで持って喋っていたメガホンを、床に静かに置いた。

ツバメ「私･･･須堂夏樹くんのことが･･･好きでしたっ!!」

私は衝撃を受けた。

「春菜さんが･･･夏樹くんのことが･･･好きだった･･･そんな･･･」

ツバメ「酷い扱いされた時も、最初は相手にしてもらえてるって思って、バカみたいに浮かれて、本気でウザがられてるって分かったのは、ホント言うと、生徒会長になってからだった」

美森「信じられない、バカじゃない?」

夏樹くんがどんな顔をしているのか、とても気になった。

夏樹くんは春菜さんのことをどう思っているんだろうか?

最近夏樹くん春菜さんを見つけたら、春菜さんの方に行ってしまうし･･･

それに最近様子がおかしかった。

もしかしたら、夏樹くん春菜さんのこと好きなんじゃないかな･･･

2人が付き合ってしまったらどうしよう･･･

「どうしよう･･･私･・・」

南「A・・・?大丈夫?」

その声は私には届いていなかった。