幼稚な彼女③【須堂夏樹】 (ページ7)

今日:13 hit、昨日:10 hit、合計:53,133 hit

3-32 ページ7

翌日

私はタクトくんや夏樹くんの様子が気にしていた。

タクトくんは少し元気はないけど、特に変わった様子はなかった。

夏樹くんはいつも一緒なのに、今日はほとんど一緒に居なかった。

もしかしたら、夏樹くんに避けられてる?

いや、もしかしなくても避けられてた?!

謝ろうとしていても、避けられていては、何も出来なかった。

そして、放課後。

試合の時間になった。

私は南ちゃんたちと観客席に行った。

マネージャーだから夏樹くんたちと一緒に行こうとした私を、南ちゃんが夏樹くんと一緒なのが心配だったのか観客席に呼んでくれた。

席に着いた時、キャーっ!!と黄色い声が響き渡った。

着替えが終わった夏樹くんたちが入場したみたいだ。

「やっぱりみんなかっこいいねっユニフォームが似合ってる」

南「ふふふ、そうね」

夏樹くんたちが入場すると、夏樹くんたちと生徒会のみんなが向かい合うように一列に並んだ。

壺井「くれぐれも反則はしないように、怪我だけはさせるなよ」

ピーっとホイッスルが鳴る。

そして、壺井先生がボールを高く真上に投げる。

油森くんと波留くんのジャンプボールの戦い。

それはあっけなく波留くんが勝利した。

それから試合が始まった。

試合が始まると、生徒のみんなが各々の応援をしている。

どんどん夏樹くんたちがシュートを決めていく。

私はかっこいいプレーを見れて嬉しい気持や、生徒会のみんなへの不安、そしてなにより夏樹くんともう話せなくなるんじゃないかという不安で気持ちはごちゃごちゃだった。

ピー、またホイッスルが鳴った。

壺井「はい、ハーフタイム」

ここまでの点差は62-0だった。

「春菜さん、大丈夫かな?」

女子「何アレ?」

その声で体育館の方に視線を送ると、春菜さんがピンク色のカバの被り物をかぶって体育館の中心に歩いていくところだった。