幼稚な彼女③【須堂夏樹】 (ページ3)

今日:2 hit、昨日:10 hit、合計:53,122 hit

3-28 ページ3

ツバメ「もし、私たちが勝ったら･･･廃部になった部を復活させる。公平に予算と部室を分配する。生徒会室も元通りに使わせてもらいます」

春菜さんは力強く解決すべき問題を、夏樹くんたちに突きつけた。

陸「それ、俺たちがどうこうできるもんじゃないでしょ」

陸くんは私に気づいたみたいで一瞬私のことを見たあと、春菜さんに視線を戻し言葉を放った。

確かに陸くんの言っていることは正論だった。

夏樹くんたちが解決できる問題かは分からない。

けれど、この問題を起こし今の状況に誘導したのは夏樹くんたちで、解決できるのもきっと問題を起こした本人たちである夏樹くんたちしかいないだろう。

でも本人たちに頼むなんて考えてなかった。

頼んだところでしてくれるはずがないから。

それを、勝負として頼むなら話は別だろう。

春菜さん、すごいと純粋に感じた。

そして、自分とは全然持っている力も違うのだと･･･

でも、受けてくれるかな?

夏樹くんたちが勝ったとしてもこのままじゃ利点がないよね･･･

受けてもらわなきゃ勝負は成立しない･･･

ツバメ「怖いんですか?もしかしたら負けちゃうかもって」

「春菜さんっ」

勝負を受けてもらうためにとった春菜さんの行動に驚いた。

ここまで考えて試合を設けたのに、最後が挑発なんて･･･

夏樹くんたちがどうでるか怖かった。

私は焦り止めに入ったつもりだったけど、声はとても小さく誰にも届くことはなかった。

夏樹くんは立ち上がり、階段をばんっと蹴った。

体がビクッと反応する。

そして、ゆっくりと生徒会のみんなの元へ近づいていく。

夏樹くんは感情的に怒っているというわけではなかった。

でも、静かに歩いている夏樹くんは、とてもオーラがあって怖かった。

生徒会のみんなは怯えて俯いた。