綺麗な顔 ページ10
年明け…仕事はない。どうせなら釜山に帰ればよかったか？
でも釜山に帰れば、心にぽっかりと穴が開くから帰らない…でも意外なところで意外な人と出会ってしまう。コンビニにビールを2本買いに行けば…泣き出しそうな少女とすれ違う。
光を失くした目を…きれいだと感じとったら失礼かもしれないけど、きれいだと感じてしまう…でもすぐにその少女はカップルメイキングで出会ったシム・ウンソルだと気づく。
だから…
「何してるの？」
声をかければ彼女は驚く…
「こんな時間に女子一人で歩いてたらどうするのよ？
ここで出会ったのもなんかの縁だから、一緒に飲もう？」
誘って家に招く。同じマンションに住んでるから、遅くなってもいいよなと思う。でも、なんとなくの雰囲気でお酒に弱そうだから、私は冷蔵庫に入ってる果汁100％ののリンゴジュースを差し出す。
でも私の意図とは裏腹に…
シム・ウンソルの中での女優のイメージが高級なホテル、高級な料理、高級な酒…女優のイメージがそんなだと嬉しい。
だから教えてあげた…食事も酒も屋台やコンビニ、街にあふれる小さなお店がおいしいと。
こんなにも純粋な感性の持ち主に出会ったのは人生初だ。だから…出身地を聞けばソウル。私とは全然違う所で生まれ育っていた。
釜山のイメージを聞けば、応答せよ1997とかのドラマのイメージ…。
だけど…
ｳﾝｿﾙ「Aさん…きれいだなって…」
そう褒められると恥ずかしい。だから…髪の毛をぐしゃぐしゃにする。ナコとは違ってもちゃんとした家庭で育ったのは伝わる。
「私から見たらあんたのほうがかわいいって、きれいだって思うのに…」
なんかあったのはわかるけど…なんとなく運命を信じてた彼女の心に入りたいと思って探った。
「なんかあったあんたに対して失礼かもしれんけど…ウンソルの今にも泣きそうな顔はきれいだった。
きっとあの顔してたら、うちの事務所にスカウトされてたよ？」
ｳﾝｿﾙ「え…？」
「うちの事務所のスカウト基準…おかしいから。」
あの日のことを思い出して私はウンソルに話した。
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作者名：いっちー | 作成日時：2014年1月3日 12時
