バカ… ページ18
ミンソク「仕事に感情は入れなかったんじゃないの?」
そう言って私の目の上に冷たい飲み物を置いてくれるミンソクオッパ。
「ミンソクオッパ…訛がきついから俳優になることあきらめたんじゃないの?」
ミンソク「うるさい、たわけが。
それに俺は俳優じゃなくて、演出家として脚本家として働きたいんだ。それにお前といると、釜山出身ってばれちまう。」
「ミンソクオッパも釜山だが。」
そう言って笑う。
ミンソク「何があった?」
「何って…別に何もないよ?」
そう言えば…
ミンソク「お前が目腫らすほど泣いて迷惑はかけん。
よほどの理由があるだろ?」
「関係ないことだよ…」
ミンソク「さっきのキムパフに感動しただけか?」
「うん…」
ミンソク「あの空白の半年を思い出したんだろ?」
「知ってるなら言わんどいて…」
私はまた涙がこぼれる…どうしようもないくらいに泣き崩れる自分が嫌だ。
お腹の子を失ってから私は毎日栄養ドリンクとサプリメントばっかりだった。食事は…ロケ弁や誰かと一緒に食事に行くときだけ無理に胃に流し込んでいたからその時の味だって覚えはない。
だけど…実家に戻って作ってくれたアッパのキムパフを思い出した…心配して私に何か買ってきてくれたミンソクオッパの優しさも思い出した…
「ミンソクオッパ…」
ミンソク「何…?」
ミンソクオッパは私だけの味方になってくれる…?でも…なってくれないよね?私はただただ、悩む…でも…
「ミンソクオッパ…」
ミンソク「なんだ?」
「オッパは…私にどんな過去があっても女優として受け入れてくれる?」
ミンソク「もうお前の悲惨な姿は知ってる…
それに…恋したんだろ?」
そう言われた瞬間…
「恋してなんかない…恋しちゃいけないくらい純粋な相手に恋したらダメだってわかってる…」
そっか…私、なんてバカなんだろ。
そう思って私の隠しておきたい黒い過去とミンソクオッパがいなかったときのことを話し出した…。
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作者名:いっちー | 作成日時:2014年1月3日 12時