思い出 ページ16
ギョンウン「な…そんなまずいもん食ってんのか?」
「ギョンウンオッパ…?
すごくおいしいの…」
ギョンウン「お前…化粧崩れるぞ?
そんなに泣いたら目も消えるかもしれねーぞ?」
泣いてる…?
YM「Aヌナ…ごめんね?
俺達がAヌナを無視したばっかりに…」
そっか…泣いてたんだ、私。
「もー…ウンソルとシムヒョンのせいだから…
ミヌのせいだから…。」
止めようとしても、止まることなく涙は私の目から零れ落ちた。
「ヨンミナ…」
YM「何…?」
「ちゃんとご飯食べて?」
YM「は…?」
「どんなに辛いことがあっても、私と同じ仕事の時はご飯をちゃんと食べて?
私が泣かされるから…」
YM「何で…?」
「だって…反則だよ?」
YM「何が…」
「どんなに豪華なケータリングや、差し入れよりも人の心をつかむ差し入れ送る仲間がそばにいるなんて信じられない…。
ウンソルだってこれから頼まれたって、作っちゃダメ。
キムパフは反則だって…」
ハナ「Aオンニ…」
「私にとってキムパフはそれだけ反則のものなの。」
過去を思い出してしまう…実家に戻った空白の半年間があった。子どもを失ったショック、自分が殺人犯になったショック…何も食べれなくなった時期のことを思い出してしまう。
仕事を意地でもやっていて、新しい仕事のオーディションも全滅で、久しぶりに実家に戻った時のことを思い出した。
小さな町工場、食べ盛りの男の子2人を育てていた両親…そのうち二人はもう兵役に就いていたけど…経済だって立て直せるわけでもなく、細々としていた。そんな劣悪な環境のもと、私まで帰ってきたら困るはずなのに…
「アッパが作ってくれたキムパフはミヌが作ったのと同じようにぐちゃぐちゃだった…」
ハナ「え…?」
「私が…悩んで何も食べれなかったときにアッパが作ってくれたのがキンパフ。このキムパフのようにぐちゃぐちゃだった…
仕事が上手く行かなくて、壁にぶち当たって、何も食べれなくなったとき食べたアボジのキムパフを思い出したの。
あの時の私はなんで余分なことするんだって思って、一生懸命、作ってもらったから食べたけど…私が心配で作ってくれたんだって思ったの。
味なんてわからなかったけど…きっと今日みたいに美味しくはないんだろうけど…優しくて温かい味がしたんだってそう思ったの…」
私はその後も涙を止めようと必死でも、滝のように流れ落ちていった…。
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作者名:いっちー | 作成日時:2014年1月3日 12時