Nusakan/1 ページ5
「そろそろ行くぞ、A」
「うん、わかってる」
夢ノ咲学院生徒会室。
私は生徒会の腕章を腕に付けながら溜め息をついた。これから私たちがしなくてはならないことに嫌気がさす。
…それは私だけかもしれないけれど。
「…何度も言うがこれは学院の規律を守るためだ。溜め息をつくな。」
その証拠に、ほら。
副会長である蓮巳敬人は『学院の規律を守るためだ』なんて言う。いくらなんでもあんまりだと私は思う。
あぁ、今朝の出来事が嘘のように思えてくる。輝いてたな。あの子たち。
そんな風に今朝の出来事を思い返すと同時に敬人を少し睨む。生徒会室のドアを開くと、手に持っていた私の携帯が鳴った。
着信相手を確認し、通話を始める。
『姫宮桃李でーす、グラウンドに到着しました!他の役員たちも全員集合してます』
「ありがとう、今から私と敬人も向かうね」
簡単に事務連絡を済ませ、通話を終える。はぁ、とまた溜め息をつきながら廊下を進む。
下駄箱で靴を履き替えているとグラウンドからの騒音がここからでも聞こえてくる。
ギターの音、荒々しい歌声、観客の歓声。あれも彼らの青春の一つだというのに。
「敬人」
「何だ?」
「私、この仕事大嫌い」
「…そうか」
私たちはグラウンドへと急いだ。
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作者名:kairi | 作成日時:2018年11月26日 21時