星に願いを。 (ページ8)

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…ん？

少々曖昧な聞き方だったので、「どうする、というと」と聞き返してみた。

すると、「いや…見に行く？っていう」という比較的予想通りの言葉が返ってきた。

「………珍しいね？」

わざわざ流星群を見に行っていたのなんて確か小学5年生ぐらいまでで、そのとき双方の両親にばれてしまったため6年生からは自宅のベランダから、とかだったと思う。

いつだって見上げれば空があって、空があると星は自然とあるものだ。

今になって考えてみれば、わざわざ家を抜け出してまで丘まで行く必要があったのか。いや、あの頃は"家を抜け出す"という行為そのものに楽しさがあったのだろう。

「でもなんで突然？」

高校1年生のとき、特に意味もなく彼に「久々に流星群見に行かない？」と言ったところ「面倒くさいし行けない。その時間塾」と目も合わせずぶっきらぼうに言われてしまったのだ。
私はそれ以来、彼の前でこの話題は一切出していなかった。

「…………たまにはいいかなって」

相変わらず、あまり目は合わせてくれないなあ。
でも、そんな彼から誘われたことが嬉しくて、

「うん！もちろん一緒に見に行こう！」

と、顔を覗き込むように言ってしまった。

「はあ～…楽しみだなあ…」

私が有頂天になっているときに、

「そういえば新しくバイト始めるから、明々後日辺りから先に帰るね」

と言われたので、つい適当に聞き流してしまっていた。