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そのあとは、お互い課題をちょこっとだけ進めたり、愚痴を言ったり、ポテトのおかわりを頼んだりした。
「……もうこんな時間かあ」
彼が窓の外を見ながら呟いたのを見て、ようやく時間の経過に気がついた。
空はピンクがかった紫のような色をしていて、カラスが3匹並んで飛んでいた。家に帰るのだろうか。
「なんかあっという間だったね」
「だね」
いつもグタグタしてなかなか帰らないが、空の色が変わるぐらい遅くまでいたのは何気に初めてだった。
そろそろ帰ろう、と彼が言ったので、お冷を飲み干して席を立った。
「ありがとうございました〜」という声を背にして店のドアを開けた。この店員さんにお会計してもらうのも、ドアを開けるたびに店内に鳴り響くベルの音を聞くのも、これで何回目なのだろうか。
「そういえば」
「ん?」
思い出したようにたくろうが口を開いた。
「もうすぐ流星群の季節らしいよ」
「えっ?早くない?」
それ毎年言ってる、と言いながらはは、と笑う彼は無邪気な子供そのもののような表情をしていた。
「早いなあ、もうそんな時期か…」
流星群といえば、小さい頃は毎年たくろうとこっそり家を抜け出して丘の上まで見に行っていた。
「今年はどうする?」
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作者名:凛 | 作成日時:2019年6月10日 23時