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お互い注文したものが届くと、「ポテトひとつちょーだい」と奥から細い指が伸びてきた。


…指、意外と綺麗だな。



「あ、そういえばさ」


「ん?」



ポテトを1つ、右手の人差し指と中指で挟んで口に運んだ。煙草みたいに。



「伊沢さんって覚えてる?2つ上の高校の先輩」


「…ああ!たくろうとよく仲良くしてた」


「そうそう、今の彼女と結婚を前提に付き合ってるらしいよ」


「え!結婚?!ほんとに?!」



伊沢さんとは、たくろうと同じ部活で仲の良かった先輩。私もよく部活に遊びに行ってたし、とても気さくな人だったのでよく話していた。


まあ確かに、とても真面目な性格だし当時から彼女を大切にしている印象はあった。しかし、まだその彼女さんとお付き合いしているとは。しかも結婚まで話が進んでいるなんて。



「結婚かあ〜へえ〜…すごいな…伊沢さん…」



結婚なんて、まだ考えたことも無かった。ましてや、彼氏だってまだ居ないのに。



「まあ、伊沢さんだしね。そういう決断早そうだから」


「そっかあ…」


「Aは」


「え?」



突然、名前を呼ばれ驚く。

え?ついさっきまでポテトを咥えていたのに、なに真剣な顔になってんの?



「…いつかは、結婚とかすんの?」

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作者名: | 作成日時:2019年6月10日 23時

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