魅惑的で不思議 【名前変換オリジナル】

#５ ページ5

『おはよう、宮浦くん』


「……あ、うん。おはよう」


『え、あ……うん、？！』


いつも通りワンテンポ遅れて返ってくる挨拶。

そこまでは別に普通だった。問題はその次に宮浦くんが取った行動だった。


「眠い……枕になって」


『え、なんて？』


眠すぎたのか、私の腕を掴むとそのまま眠ってしまったのだ。なんてこった。

私はゆっくりと椅子を引き、後ろを向きながらじっと宮浦くんを見つめてみることにした。

伏せられた長くて艶のある睫毛に、すっと通った鼻筋。桜のような色の、ぷっくらとした唇。色素の薄い肌は丁寧に手入れがされていて、宮浦くんの周りだけ非現実的な空気を纏っていた。

すやすやと気持ち良さそうに眠る宮浦くんを見ていると、なんだか私も眠くなってきてしまった。


「A〜…？！」


と、そこに現れた男。

そう、空気は読めないし声はデカイ。いつでもチャラチャラしてて、圧倒的陽キャ。

早瀬結人。大嫌いな幼馴染み。


『く、う、き、を、よ、め！』


「えぇ〜？聞こえまテーン」


『…はっ倒すぞ』


出来るだけ小声でぶちギレれば、アホみたいに煽ってくる。まじで一回はっ倒されて来た方がいいと思う。


「…うぇっ？！なにお前。遥馬とそーゆー関係なの？」


『ちっ、違……』


誤解されるのも仕方がない状況。しかしコイツが言うと、これ程までムカつくものか。


『結人嫌い』


「なっ？！それは関係ねぇだろ！」


『うるさい、嫌い』


「あーもー、クソが。……悪かったよ」


『え……逆にキモい』


「なんなんだよ、おめぇは！」

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