魅惑的で不思議 【名前変換オリジナル】

#２５ ページ25

ボーッと眺めていたスマホの画面。

表示されていた時計がぱっ、と7時に変わった瞬間、夜空が明るくなった。


『あっ……！』


「花火始まったな〜」


色とりどりの華。

一瞬で儚く消えていくその光景は、誰もを虜にする。

丘から見下ろすと、多くの人達が足を止めて空を見上げていた。


『……綺麗だね』


「そう……だな」


微かな憂いを含んだ表情をする結人。何か思い詰めていることがあるかのような、そんな風に見える。


『ね、結人？』


「ん？」


少し右隣の結人に近づき、話しかけてみる。

いつも通りの声色。それでも複雑な感情が混じりあってることをなんとなく感じ取れる。


『なんか、困ってる？』


「……！」


分かりやすく引きつった顔を見て、何かを隠していると確信した。


「あ〜、分かっちゃうか」


眉をハの字に下げて笑う結人。どこか諦めてるような……ヤケクソというか……。


「聞いてくれる？俺のそーだん」


『いいけど……』


「俺さ、好きな人居るんだよね」


『は？！』


突然深刻そうな声で話し始めたかと思えば、衝撃の事実。脳内処理が追い付かなくなりそうだな、これは。


「でもさ、その人は多分別の人が好きでさ」


『別の人……』


「俺の事なんて眼中にもないの(笑)」


『ん〜……』


「せめて意識くらいはしてほしいからさ〜？」


「今日告白するんだ」

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