魅惑的で不思議 【名前変換オリジナル】

#８ ページ8

「おはよっ、Aちゃん」


『渚沙(なぎさ)ちゃん、おはよー』


朝から満面の笑みで挨拶をしてくれるのは漣(さざなみ)渚沙ちゃん。

おしゃれでいつも髪型は凝っているし、優しくてみんなから慕われるような素敵な人。人望や人柄の良さも相まってか、後期生徒会長に推薦されているそう。


「宮浦くんったらまた寝てるの〜？」


呆れたように笑う渚沙ちゃんの隣で、宮浦くんをじっと見つめる。

相変わらず朝からすやすやと気持ち良さそうに眠る宮浦くん。そんなに寝れてないのかなぁ。


『宮浦くん、授業始まるからね』


「……ん。もーちょい」


『だーめ。そろそろ起きて』


なかなか粘って起きようとしない宮浦くんと、なんとしてでも起こしたい(起こさなければいけない)私。

すごく下らない戦いが始まりそうだ。


『おーきーて』


「やーだーね」


『起きてよー』


「……ダメ？」


『っ、それはズルいでしょ！』


最終的には自分の顔が良いことを利用し、私の袖をクイッと掴むとあざとく上目遣い。

＿宮浦くん、そういうところだよ。


『……そんなんだから女誑しって言われるんだよ』


「そんなつもりはないけど」


『ウソつき、いっつも……』


「Aにしか、そんなことしないよ」


どこか含みのある口調で放った言葉。

それは心臓の深くまで入り込み、じわじわと全身へ熱を広げていった。

それは一体、どういう意味ですか。宮浦くん。

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