魅惑的で不思議 【名前変換オリジナル】

#１６ ページ16

『ん〜……ねむ』


「A、お昼食べよ！」


『良いよ〜』


お昼過ぎ。ようやくお弁当を食べれる時間になり、渚沙ちゃんと向かい合って机に向かっていた。

朝のLINEについては特に宮浦くんと話さず、いつも通りのほほんと中身のない話をしただけ。


『……っ』


ふとお弁当を食べる手を止めて、チラリと廊下側に視線を送ると、こちらを向いていた結人と目が合う。

不覚にも、整った容姿をしている幼馴染みにドキリとしてしまったのはとんだ失態。またからかわれちゃうよ。


「A……？」


『えっ？あ、ごめん！どうしたの？』


「いや？」


「恋する乙女の顔してたな〜って」


『はい？！』


『なんで私がっ、そんな、ね』


「くくく……焦りすぎ」


他人事だからって笑いながらチラチラと視線を廊下側へおくる渚沙ちゃん。

別に好きじゃないって言いたかったけど、別に渚沙ちゃんは「好きなの？」と聞いてきた訳じゃないし、墓穴を掘りそうなので口をつぐむ。

……でもなぁ。


『……もしかしたら好きかも』


「え？なんて？」


『別に〜？』


廊下から吹く風に靡く柔らかな髪と、綺麗な横顔に思わず視線が惹き付けられる。

チラッとこちらを見た彼は、新調したばかりのピアスを輝かせながらいたずらっぽく笑った。

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