魅惑的で不思議 【名前変換オリジナル】

#１３ ページ13

暫くその溢れでる色気と魅力に視線を引き剥がせずに居ると、宮浦くんはそのまま瞼を落とした。

なんていうか、掴めない。

無意識に目線が宮浦くんに向いてしまうのは、危なっかしいからだろうか。それとも、何かが惹き付けているのだろうか。


「おはよう、A」


『あ、渚沙ちゃん。おはよう』


サイド黒板には、カラフルなチョークで色とりどりに装飾された、"終業式まであと2日！"という文字が踊っている。

私たちの高校は他より遅い終業式らしく、他のところは7月25日からなものの、私たちは27日からなのだ。なんでも、卓球部の全国大会が被ってしまったかららしい。


「よっ、A」


『……ちょっと。重いんだけど』


人の頭の上に鞄を乗せるという、非常識的な行動をしてくるのはやっぱり……


『結人。殴るよ？』


「安心しろ〜？Aのパンチを喰らうほど弱くないからね」


『(自主規制)』


「やめろ」


人を不快にさせるのに無駄に顔の良いクズ野郎(早瀬結人)だった。ちなみに名前を読ませるつもりはない。


『なんの用？』


「あ、今度クラスで海行くんだけど。来る？」


『……海かぁ』


「来ない？」


コロコロと話題を変え、まるで自分の私物かのように私の机に腰をおろす結人。まじで一回しばいてやる。


『考えとく。ほら、授業始まるから』


「りょーかい」


どこか納得のいかなさそうな顔をしたまま、結人は自分の席に戻った。

別に良いけど……宮浦くんはどうするんだろう。

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