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「そっか〜…なるほどなっ」
だけどやっぱり廉には笑っていてほしくて、
ありがとな、と微笑む廉を見てると嬉しさと切なさが入り交じって、目頭が熱くなって視界がぼやけた。
『……頑張ってね』
精一杯の、強がり。
ツーッと涙が頬を伝う感覚。
その瞬間にグイッと身体が傾いて、ポスッと細い身体に収まった。
「なに泣いてるん」
『……なに、して…』
香水なのか柔軟剤なのか分からないけど
そのフワッとした香りと、耳元で聞こえる心地良い声が、ドキドキと心臓を高鳴らせた。
「俺がここに来たん、Aが怪我したからやって」
『……え？』
は〜っとついた廉の溜息が、私の髪を掠めた。
それが私と廉の距離をなくした証拠だとわかると、熱が全身に帯びていく。
「いつも見とったから」
だけど、廉の言葉が誰に向けられているのか、どういう意味なのか
あまりにいろいろなことが起こりすぎて、私には到底理解できなくて。
背中に回った廉の手がフワッと私の頭を撫でた。
もしかして
もしかして
怪我した私を見たからここに来てくれた？
いつもあの2階の廊下にいるのも、
そうやって、大切そうに触れてくれるのも、
もしかして、
「気付いたか、ばーか」
離れた身体と同時に、視線が絡む。
もう何度もこぼれ落ちた私の涙は、廉の白いワイシャツにシミをつくっていた。
「言いたいときに言えって、Aが言うたんやで？」
『………なん、で…？』
信じられなくて、
だけど嬉しくて、
まだ混乱する気持ちのまま出た言葉に廉がふっと笑った。
「なんでって、」
廉の手が優しく頬を包み込んで、その親指で私の目元を拭う。
はっきりと映る視界の先に、
これまでにないくらい、
大好きだと思う、
いつもの横顔ではなく、
まっすぐに私を見てくれる、廉の顔が見えた。
「好きやで、A」
fin.
☆☆☆
久しぶりの更新になってしまいました…！
声楽部って……実はkoi-wazuraiが出たときに思いついたやつでした(笑)
全然話が決まらなくて、、、もっと明るい感じを書きたかった(_ _)
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hinata(プロフ) - ゆかさん» いつも読んでいただきありがとうございます！！ずっと見てくださってるなんて…ほんと嬉しすぎます！(；；)そう言っていただけるならいくらでも書きますので！これからもぜひよろしくお願いしますm(_ _)m (2021年2月16日 23時) (
レス) id: ef05115d0f (このIDを非表示/違反報告)
hinata(プロフ) - 月さん» はじめまして！！読んでいただきありがとうございます(；；)リピ読み…！めちゃめちゃ嬉しいです！！！また気が向いたときにお読みいただければ幸いです…！コメントもありがとうございました！！ (2021年2月16日 23時) (レス) id: ef05115d0f (このIDを非表示/違反報告)
ゆか(プロフ) - 更新嬉しいです！ずっとお気に入り作者登録しております。また新作書いてください！飛んできますので！笑 (2021年2月15日 0時) (レス) id: 3890b64e54 (このIDを非表示/違反報告)
月(プロフ) - hinataさんはじめまして。完結おめでとうございます！保健室とベッド好きすぎてリピ読みさせてもらってます！ (2021年2月14日 23時) (レス) id: 11039f4f3f (このIDを非表示/違反報告)
hinata(プロフ) - AAAさん» わああとっても嬉しいです(；；) ドキドキしながら投稿したのでそんなこと言っていただけるなんて、、 わたしも頭の中で続編考えてしまいました笑 これからもよろしくお願いします！m(_ _)m (2020年4月14日 19時) (レス) id: ef05115d0f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：hinata
| 作成日時：2019年8月18日 5時
