癒し 〜片寄〜 ページ10
今日は
夜遅くまで涼太が帰って来なかった。
特段珍しいことでもないので、
先にベッドに入り、寝ていた私。
だが、ガチャっという寝室のドアを開く音で
ふと目が覚めた。
重たい瞼にさからいながら、横向きになって
壁にかけてある時計を見ると、夜中の2時を指している。
(…涼太…帰って…きた？)
ぼーっとする頭でそんなことを考えていると
後ろで何かがモゾモゾ動き、
背中に暖かくて大きいものが密着してくる。
それと同時にお腹のところに腕が回され、
引き寄せられた。
｢ん、え？…涼太？｣
まあ匂いとか身長とか絶対涼太なんだけど
一応聞いてみた。
すると、返事は返ってこず
ただ私に密着してくる。モゾモゾと。
｢…おかえり。｣
寝起きで掠れた声で小さく呟くが、
やっぱり返事は返ってこない。
そのかわり、私のうなじに涼太の浅い呼吸があたってる。
甘えてくるなんて珍しい。
疲れてるのかな…
ちょっと汗の匂いもするし、ずっとボイトレしてたのかもしれない。
｢お疲れ様。｣
｢…ん。｣
小さくて掠れた低い声。
涼太の腕にまた少し力が入った。かと思うと、
｢うわｯちょ、｣
私の服の中に涼太の手が入ってきた。
直で感じる涼太の大きな手と肌。
急なことに心臓はバクバク。
ずっと私のお腹を撫でているのがくすぐったい。
でも、涼太の手の温もりがお腹に伝わってあったかい。
(湯たんぽみたい。)
｢涼太…恥ずかし、から…｣
｢…いーじゃん。A…触ってたい…｣
でかい男が子供みたいなこという。
でも、今日くらいは許してやろうかなって気にさせるのが涼太の得意技。
しばらく経ってもなお、涼太の手は止まらない。
私は寝れるはずもなく、後ろのこいつが寝るのをひたすら待っている。お腹を撫でられながら。
すると、
不意に一瞬、お腹をかるーく摘まれた。
やめろ。
デブがばれる←
｢…ﾌﾊｯ｣
後ろで涼太の笑い声が響く。
うなじにその時の息がかかって体がピクッと反応した。
｢なに。｣
｢……プニプニ。｣
激しくいらっときた私は後ろを振り返る。
｢うっさいな！寝ろ！｣
｢ﾊﾊﾊｯ！｣
後ろには幸せそうに笑っている涼太。
そんなのみたらこっちまで笑顔になる。
end
……………………………………………………………
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 178人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
ミネラル(プロフ) - あっちゃんさん» ありがとうございます！更新遅いですがこれからもよろしくお願いします(｀・∀・´) (2017年4月12日 20時) (
レス) id: 077562f7ce (このIDを非表示/違反報告)
ミネラル(プロフ) - ゆうあさん» ありがとうございます！嬉しいです(((o(*ﾟ▽ﾟ*)o)))更新頑張ります！ (2017年4月12日 20時) (レス) id: 077562f7ce (このIDを非表示/違反報告)
あっちゃん - めちゃめちゃ面白かったです。きゆんきゆんしぱなっしです。続き読みたいです。 (2017年4月10日 11時) (レス) id: 65b93a23fb (このIDを非表示/違反報告)
ゆうあ(プロフ) - めっちゃ面白かったです！すごくきゅんゅんしました！更新楽しみにしてます、頑張ってください！ (2017年4月6日 1時) (レス) id: fe548b678e (このIDを非表示/違反報告)
ミネラル(プロフ) - けしごむさん» ありがとうございます！嬉しいです(((o(*ﾟ▽ﾟ*)o)))更新頑張ります！ (2017年4月4日 22時) (レス) id: 077562f7ce (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：ミネラル | 作成日時：2017年3月24日 23時
