初めての朝 〜小森〜 ページ8
｢いったぁ…｣
寝返りを打った瞬間、
電気のように腰に響いた鈍痛のせいで強制的に目を覚まされる。
それによって朝から眉間のシワも、
ジンジンと響く腰痛も、
起きた瞬間に目に入った隼の寝顔によってすぐほだされていった。
だが…、
この鈍痛の原因のそもそもは、この可愛い寝顔を見せてくれてる隼なわけで、
なにか複雑な心境に陥った。
普段は彼氏というより弟みたいな感じなのに、
昨日の夜はちゃんとした｢男｣で…
いや、男というより｢獣｣に近かったかもしれない。
昨夜のことを思い出し自分の腰を擦りながらそんなことを考えていると、隼の瞼がうっすらと開いた。
｢…あ、おはよ。｣
声をかけると、まだ眠そうな視線とかち合い
思わず笑ってしまった。
昨夜感じた獣感はどこにもなくて、むしろその可愛さに母性本能をくすぐられ小さく笑っていると、
｢ﾜｯ！｣
途端にギュッと抱きしめられた。
何を喋り出すわけでもなく、ただ力強く抱きしめられる。
その抱擁に特に意味は無いと感じると、私は肩の力を抜いてその胸板に寄り添った。
眼前には、昨夜散々私を翻弄した肉体。
ちょっとした悪戯心で目の前に迫った隼の胸に手を滑らせると、
その体がピクリと反応し、真上から掠れた声が降ってきた。
｢…A、くすぐったい…｣
その声は寝起きだからかいつもよりも少しだけ低く、
私の鼓動を高鳴らせる。
それと同時に、
隼は身じろぎして私の体を隙間なく密着させるように
なお一層抱き寄せてきた。
それが無言の好意を表しているようでくすぐったい気持ちになり、その広い背中に腕を回せば、
また、底なしの眠気に襲われる。
鈍い腰痛も隼が残してくれたものだと思えば
なんだか嬉しくもなった。
そんな幸福感に満たされながら
私は隼に寄り添ってまた瞼を閉じたのだった。
end
………………………………………………………
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ミネラル(プロフ) - あっちゃんさん» ありがとうございます！更新遅いですがこれからもよろしくお願いします(｀・∀・´) (2017年4月12日 20時) (
レス) id: 077562f7ce (このIDを非表示/違反報告)
ミネラル(プロフ) - ゆうあさん» ありがとうございます！嬉しいです(((o(*ﾟ▽ﾟ*)o)))更新頑張ります！ (2017年4月12日 20時) (レス) id: 077562f7ce (このIDを非表示/違反報告)
あっちゃん - めちゃめちゃ面白かったです。きゆんきゆんしぱなっしです。続き読みたいです。 (2017年4月10日 11時) (レス) id: 65b93a23fb (このIDを非表示/違反報告)
ゆうあ(プロフ) - めっちゃ面白かったです！すごくきゅんゅんしました！更新楽しみにしてます、頑張ってください！ (2017年4月6日 1時) (レス) id: fe548b678e (このIDを非表示/違反報告)
ミネラル(プロフ) - けしごむさん» ありがとうございます！嬉しいです(((o(*ﾟ▽ﾟ*)o)))更新頑張ります！ (2017年4月4日 22時) (レス) id: 077562f7ce (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：ミネラル | 作成日時：2017年3月24日 23時
