We are...４ (ページ49)

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髙橋

お店を出て少し歩いた先の広場。
道に並ぶライトアップも綺麗だったけど
それを遥かに超えるくらいの輝き。

やっぱりここ、来て正解だったな。

「紫耀！めっちゃ綺麗、すごいよ！」

「ほんとだ…やば、」

きっと言葉が出ないのだろう。
それでも紫耀の表情が物語っている。
綺麗だ、感動した、って。

イルミネーションを見つめる彼の瞳は
まるで子供みたいにキラキラしてて

かっこいい紫耀の
可愛い一面を見れた気がした。

これは一生の宝物だなぁ。

好きになった方が負け。
それなら俺はとっくに紫耀に負けてるよ。

あーあ、学校祭マジックがあるように
クリスマスにも魔法があったらいいのにな。

「俺さ、紫耀とこの景色みれて幸せ。
まだ早いけど、クリスマスを先取り
できたみたい」

“クリスマスデート”
そう思ってた事は君には内緒。

「…俺も、一緒にイルミネーションを
見れたのが海人でよかった」

そんな風に微笑まないで。

「っ、なんか今日の紫耀かっこいいね、！
惚れてまうやろ～」

誤魔化さないと伝わっちゃう。

「いいよ、惚れて。俺のこと好きになって？」

なに、それ。
心臓が今までで一番ドキドキ鳴ってる。
この音が紫耀に聴こえちゃえばいいのに。

俺は本気なんだよって届けばいいのに。
冗談でもやめてよね。

・・・紫耀の、ばか。

「俺、冗談言ってないから。 …本気だから。
海人に俺のこともっと知ってもらいたい。
そばにいてほしい。それくらい、好きです」

「っ、」

「付き合ってください」

こんな日が来るなんて
数時間前の俺は絶対思ってもいなかった。
今だって信じられない。

でも、紫耀の目が本気だって伝えてる。

この恋は実らない。
それでもいい・・・わけなかったんだ。

「…最高のクリスマスプレゼント
貰っちゃったなぁ」

溢れ出る涙は止まることを知らないみたい。
ポタポタと流れては、マフラーを濡らして行く。

「それって、」

「俺も、好きです。紫耀が好き。
こんな俺でよかったら、そばにいてください」

涙でぼやける視界の中で
紫耀が今日一番の笑顔を見せてくれたことは
はっきりとわかった。

幸せだなぁ。
サンタさん、素敵なプレゼントをありがとう。
この恋を実らせてくれてありがとう。

まだ涙は止まらないけど
もうちょっとだけこの余韻に浸らせて。

「海人、ハッピークリスマス」

(完)

リクエストありがとうございました。