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髙橋

・・・おかしい。返信がこない。

“今○○だよ、どこにいたらいい？”

自分の送ったメッセージ
そしてそれが相手に届いたことを知らせる
既読の文字。

紫耀から連絡が来たのは15分ほど前。
すぐに送り返したはずだし、
送った直後に既読もついた。

なのに一向に返信が来る気配がない。

紫耀のことだから文字を打ち返すのが
面倒なんだろうなとも思ったけど
それならなおさら電話が来るはず。

それもまだ来ていない。

「心配しすぎかな、」

あたりはまだ明るいにしても
太陽のピークを過ぎたからだろうか
少しだけ肌寒く感じる。

はぁーっと吐いた息は
微かに白みを帯びていて
冬に近づいたことを実感させるよう。

今日は珍しく午後の仕事がなかったから
２人でイルミネーションでもみに行こうって。
先に誘って来たのは紫耀の方。

どうせなら暗くなってからみたいねって
話になってそれまでは時間潰しも兼ねて
お買い物でもしようかなって思ってた。

時期的にはクリスマス。
実際にはまだだけど、俺たちは
当日にパーティーとかなかなかできないから。

気持ちだけでもクリスマスを感じたい。
・・・好きな人(紫耀)と、
クリスマスデートたるものをしてみたい。

「ちょっと寒くなって来たな」

ぼーっと立っているだけだと
身体の体温が奪われてしまいそう。
近くのカフェで待っていよう。

ーーブーブー

スマホの振動が着信を知らせ
画面を開くと“紫耀”の文字。

上がる口角を抑えながら
通話ボタンを右へとスライドさせた。