▼（完） ページ44
神宮寺
「んっ、、」
目を開けると飛び込んで来たのは
レッスン場の廊下…ではなく
俺の、部屋？
のそのそと起き上がり辺りを見回す。
ズキン
「…った、」
そういえば頭痛かったな。
おでこに手を触れると、
頭に何かが貼ってある感覚が。
ぺりぺりと剥がしたそれは
「冷えピタ？」
「じん〜起きた？って
冷えピタ！せっかく貼ったのに」
なぜか扉から紫耀が顔を覗かせている。
「えっなんでいんの」
「ひどいな〜。
せっかく運んでやったのに」
ぶつくさと文句を垂れる紫耀に
話を聞くと、どうやら俺は
レッスン室前でうずくまっていたらしい。
「ごめん、ありがとう」
「ん、べつになんもしてないよ」
俺が責任を感じないように
いつも通り接してくれるのは
紫耀なりの優しさ。
「薬買ってあるから後で飲むように。
その前に、紫耀くん特製お粥作るから
食べて感想教えてね」
「ふっなんだそれ」
ちょっとふざけたような口調に
思わず笑みがこぼれてくる。
「よかった。だいぶ落ち着いて来たな。
じんがいつもの調子じゃないとなんか、さ。
あいつらも心配してるから、早めに回復
してもらわないと」
「うん」
紫耀だけじゃなく、廉や海人、岸くんも。
きっとみんな心配してくれたんだろう。
本当いいメンバーだな。
「とりあえず今はゆっくり寝て。
お粥できたらまた起こすから」
紫耀の手が優しく瞼を覆うと
途端に眠気が襲って来て
スッと深い眠りに入っていった。
意識が遠のく前、
優しく俺の頭を撫でた手の温もりは
きっと夢じゃないはずだ。
「おやすみ、じん」
(完)
じんくんお誕生日&入所11周年
おめでとうございます。
素敵な一年をお過ごしください。
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作者名：うめもも | 作成日時：2021年9月13日 13時
