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「岸くんさぁ、」
「うわっ！」
なぜかため息をついた神宮寺に腕を引かれ
ギュウギュウと音がなりそうなほど
抱きしめられた。
首元から香る優しくて甘い香水の匂い。
神宮寺の家に行った時とか
抱きしめられた時とか
そう言う時に感じられる特別な香り。
俺はこの匂いが大好きで、
もっと嗅げるようにすんすんと鼻を首元へ。
「今はそれやっちゃだめ」
「んへ、」
抱きしめる腕はそのままに、
器用に片手だけ外して鼻をつままれた。
抗議するように見上げると
目線の先には赤く染まった耳。
もしかして、照れてる？
なんで、、
「その顔も全部、かわいいだけだよ？」
つままれていた指が離れたかと思えば
次はその手が頬を撫でて。
「無自覚なのがずるい。岸くんはさ
もうちょっと自覚して。些細な仕草が
どれだけ俺を煽るのか」
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作者名：うめもも | 作成日時：2021年9月13日 13時
