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誰もいない楽屋に
ポツリと俺の独り言が響く。

「優しいとこ、表情豊かなとこ、純粋なとこ
そして・・・一途に俺を想ってくれてるところ」

え・・・
突然聞こえた声。
思わず後ろを振り返ると、

「神、宮寺、、」

「次岸くんの撮影だったから呼びに来た。
なんか悩んでるみたいだったけど
もしかして不安にさせちゃった？」

少し眉毛を下げて俺を見つめる姿は
それだけでも絵になっていて。

「岸くんの不安、俺が全部取り除きたい。
俺みんなが思うほど頭良くないからさ、
空回りしちゃう事も多くて。だから
もし俺関連で悩んでるなら言ってほしい」

やっぱり、根っからの国民的彼氏。
真っ直ぐに俺だけを見つめて
俺の思いを聞こうとしてくれてる。

なんだ、悩む事なかったじゃん。
だって神宮寺はこんなにも俺を
思ってくれてるんだよ。

この上ない幸せじゃん。

「神宮寺って本当にかっこいいよね」

「急にどうしたの？」

「いや。今なんか思って。
全然嫉妬とかしないし、完璧彼氏って感じで」

俺に寄り添ってくれるところとか、全部。

「全然そんな事ないんだけどなぁ」