そういうんじゃなくて【降谷零】 (ページ47)

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よんじゅうごページ47

こんなにもAが近くにいて、嫌われていないと分かって
それでもあと一歩踏み込めないのはおそらく…

＿＿＿で、その子が退院するまで何回か病院に様子見に行ってるうちに意気投合してさ

＿＿＿聞いてくれよ、ゼロ！この前のお礼にご飯誘ってくれたんだ！

＿＿＿分かってるよ、立場上彼女とはこれ以上親しくはできない。それに、今は潜入捜査のほうが忙しくてしばらくは会えないって言ってあるから

＿＿＿じゃあな零…

『＿＿＿さん？どうしたんですか？』

未だに脳裏に焼き付いている彼の最期の言葉を思い出した瞬間、目の前から聞こえたAの声に意識を引き戻された

さっきまでしゃがんでハロを撫でていた彼女はいつの間にか立ち上がって僕を見あげていた

『降谷さん…？』

「大丈夫だ、少し考え事をしていて……え」

ゆっくりとAの手が伸びてきて、そっと頭に触れた
撫でられている……のか？

『降谷さんなんだかお疲れのようだったので…いつも私にこうしてくれるじゃないですか？だから、真似してみようかなーって』

先程から気が緩みすぎている彼女の表情は攻撃力がありすぎる
そんな彼女の顔をこれ以上直視すれば何をしでかすか分からない、と僕は目線を外した

「と、とりあえず立ち話もなんだから…ほら、いくぞ」

玄関からリビングに行くだけなのにAの手を取り、おそらく赤くなっているであろう顔を見られないように斜め前を歩いた

中学生かよ、なんて思いながら