そういうんじゃなくて【降谷零】 (ページ26)

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にじゅうよんページ26

しまった、絶対に怖がらせた…
そう思えば思うほど子供たちに目線を戻すことはできずにいた

「オ、オレが悪かったよ…」

ゆっくりと顔をあげればそこには私と同じく目線を落としてそういう少年
でもそんなに怒らなくても、と小声で付け足した

『私も大きな声出してごめんね。でも、自分を過信しすぎる事は絶対にしないで…人は思ってるよりも簡単に死んじゃうの』

子供相手に何を言っているんだ、と思う反面
まるで自分に言っているかのような気分だ

『相手に対しても、だよ。お友達が無理しそうなら止めてあげることも大切なの』

そう言いながら4人の子供たちの顔を見渡す
少し気まずい雰囲気でみんなが眉を下げている中、メガネの少年だけは何か言いたげな顔で真っ直ぐ私を見つめていた

なんだかこの視線に捕まってはいけない気がして、私はまた目を逸らした

『…とにかく、危ないことはしちゃダメだよ？』

「おう…ありがとな、姉ちゃん」

さて、早く帰ろう。と踵を返そうとした時、元太と呼ばれている少年が私の服の裾を掴んで反対の手で木の上を指した

「あれ、取ってくんねぇか？」

「元太くん！ちゃんとお願いしないとですよ！」

「お姉さん、お願い。ボール取ってくれる？」

こんなに見つめられて帰りますなんて言えない…