そういうんじゃなくて【降谷零】 (ページ25)

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にじゅうさんページ25

なんでこんな日に限ってロングスカートなんて履いているんだ、と少し自分を恨みながら少年が地面にぶつかる直前に両手でキャッチする

が、しかしこの少年

『おっっっっっも…！！』

想定していた子供の重さを遥かに上回るその衝撃に私は耐えられず体のバランスを崩して倒れてしまった
私を下敷きにしていると気がついた少年は慌てて私の上から降りた

「ね、姉ちゃん大丈夫か！？」

「元太！お姉さん！2人とも怪我は？」

顔を上げるとメガネの少年が心配そうな顔でこちらを見ている。すると、後ろからもう1人の少年と少女もこちらを覗いている

「オレはこの姉ちゃんが助けてくれたから大丈夫だけど…」

『わ、私も大丈夫だよ。君に怪我がなくてよかった』

ゆっくりと立ち上がって服に着いた砂を払いながら子供たちを見た
メガネの少年、カチューシャをつけた少女、そばかすがある少年、そしてこの少年

『でも、もうこんな危ないことしちゃダメだよ？』

先程から"元太"と呼ばれている少年に、なるべく怖がらせないように目線を合わせた

「お、おう…分かった。でも、オレだったらこの位の高さから落ちても大丈夫だぜ！」

少年が頭の後ろで手を組んで笑った

"やっぱり潜入調査って大変なんですね…でも景光さんならきっと大丈夫ですよね"

"あぁ、俺なら大丈夫だよ。だから心配するな"

あなたならきっと大丈夫。俺なら大丈夫。
ふとあの日の光景を思い出した

『そんな簡単に言わないで…！』

目の前の子供たちのハッとした顔を見て今の声は自分の口から出たものだと気がついた
それは思っていたよりも大きな声で、咄嗟に目線を地面に落とした

『あ…そ、の……取り乱して、ごめんなさい…』