いち ページ3
二度寝しよう、というか現実逃避しようと思って布団を頭まで被ろうかと思ったらすでに目の前の男に布団を掴まれてしまった
薄暗い中でも分かる整った顔立ち、彼は私の上司の降谷零
降谷さんはそのルックスからは想像できないくらいストイックで料理が上手くてゴリラだ
『あの、降谷さん。布団…寒いんですけど』
寝起きの働かない頭と掠れた声に情けなくなる
「だったら僕が一緒に寝てやろうか?」
『あ、結構です…ってちょっと降谷さんなにしてっ…!』
背中と膝の裏にスっと腕が入ってきていとも簡単に抱き上げられてしまう。やはり彼はゴリラだ
「あの中途半端な残りの資料が終わったらいくらでも寝ていいぞ」
降谷さんの腕の中で暴れて落ちるのも嫌なのでおとなしくせざるを得ないため仕方なく彼を睨む
本当は日付が変わる前に終わらせるはずだったが睡魔に勝てず、少しだけ仮眠しようと思っていたところ気づいたら午前3:30を回っていた
「そんな眠そうな顔で睨まれたところで全然怖くないしむしろ可愛いぞA」
そう言ってニヤリと笑う姿を見て、何を言っても勝てそうにない上司に身を委ねることにした
『……っていうか歩けますから…!』
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作成日時:2024年2月28日 19時