大切な人を見つけるお話【諸伏景光】

7話 ページ9

降谷side

いつものように誰にも告げずにどこかへ行く彼の後を追った



着いたのは、大勢の捜査官が命をかけて戦ったあの現場だった



結局組織の幹部を生きたまま捕まえることはできなかった



「A、そこにいるのか？」



もちろん冷たいコンクリートからの返事はない
そんな後ろ姿を見ているのが苦痛だった




「やっぱりここにいたのか、ヒロ」



なぜ声をかけたのか、そこには公安としてではなく幼馴染として彼を心配している気持ちがあった



驚いた直後、俺だと分かって少し気が緩んだのが分かった



ヒロがここまでして探しているもの



正確には探している人、か……



やはりそれは公安警察の月島Aであった




「……必ず見つける」




ここ最近元気のなかった彼は、やっと何かを決心した表情になった



ヒロにとってそれほど大切な人なのか……



その表情から見えた信念
それはとても強く、絶対に揺るぐことの無いものに見えた

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