大切な人を見つけるお話【諸伏景光】

6話 ページ8

降谷side

最近ヒロの様子が可笑しかった


何か考えているのかと思えばいきなり首を横に振ったり、ため息をついたり

何度も引き出しの中を確認していたり…



一番気になったのは、周りを気にしながらどこかに行くという行為だ



しかしヒロはガードが固く、聞いても教えてくれなかった



こうなったら…



「風見、少しいいか？」



「はい、どうされました？」



廊下にある自販機の前で一人の男に話しかけた
この男なら何か喋ってくれるだろう



「最近ヒロの様子が可笑しいんだが…ヒロの身になにかあったのか？」



「最近…いえ、彼本人には何か起こったということは…」



本人には…か




「じゃあ周りの人が原因ってことか？」



ハッとした顔、図星だ



「実は、一ヶ月ほど前から公安警察の月島Aの安否が取れていないんです」



一ヶ月…まさかあの爆発に…
たしかあの爆発ではたくさんの殉職者が出ていた…



そして聞いたことのある名前、月島A
一度会っただけで覚えているのは小柄で茶髪で優しく笑う姿だけ



「そうか…」



他にも公安から殉職者が出たにもかかわらず風見の口から出てきたのは彼女の名前のみ

そしてヒロについて聞いた話の中でその名前が出てきたということは、やはりヒロは彼女を探しているのか？



でも、なぜ……

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