大切な人を見つけるお話【諸伏景光】

4話 ページ6

思い出しても仕方の無いことを思い出しては一人で落ち込んでいる始末。



ゼロがいなくなったのを見計らってまたこの現場に来た



「A、そこにいるのか？」



一ヶ月前と変わらない
崩れたコンクリートから鉄骨が剥きでている



結局俺は何を守れたんだ



もしもあの時Aの様子を見に行っていたら

引き止めていたら

爆破を阻止できていたら



すべて後の祭りじゃないか……





「やっぱりここにいたのか、ヒロ」



「…ゼロ！？なんでここに……」



突然後ろから声をかけられて少し肩を震わせたがその相手がゼロだと分かった途端、肩の力が抜けた



「最近こっそりどこかに行ってると風見に聞いたから後を追ってきた」



風見さんか……まぁ、いつかバレるだろうとは思ってたらから想定内ではあるが…



「月島A、と言ったな。俺は一回くらいしか会ったことが無いからなんとも言えないが…大人しそうに見えたな」



「ゼロが飼ってる犬みたいなやつだよ」



「ハロのことか？全然大人しくないじゃないか」



ついこの間までずっと俺の傍にいたんだ、
急にいなくなると寂しいだろ…

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