42話 ページ44
Aside
もう失いたくなかった
両親が何者かに襲われたあの日見たのは
黒い服を纏った人……悪魔のような目をしていた
当時中学生だった私は何も出来なかった
ただ、妹を抱きしめて物陰に隠れて息を殺していた
それでも、逃げたくはなかった
だから警察官になることを志した
大切な人を失わないために、大切な人を増やさないと心に誓ったはずだったのに___
『怯えてるのか…?』
初めての現場があの日の光景と重なり警察官としてあろうことか、手と足が震えた
その時、声をかけてくれたのが景光さんだった
『すみません…』
『いや…噂で聞いたんだけど、両親の件が絡んでるのか?』
ズバリと言い当てられた私は申し訳なさと情けなさで目の奥が熱くなってきた
『はい……ダメですよね、私情を持ち込んだら』
『勤務中は、な…?』
『え……』
『全員いるか?本庁へ戻り次第各自__』
捜査員への撤収命令を出し始めた景光さん
『よし……』
一息ついた景光さんは私の頭にポンと手を置いた
そして私は景光さんの胸に顔を埋める形になった
『あ、あの……ダメですよ!ワイシャツ濡れちゃいますよ…!』
そんなことよりも恥ずかしさの方がいっぱいだった
でもそれは、私だけみたいで……景光さんは優しい眼差しを向けていた
『そんなの気にしないよ、それより……ほら、まだ少し震えてる』
景光さんは私の左手を握った
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いちのせ(プロフ) - 和美/美香さん» はい!恐らく20日は過ぎます。誰にするかめっちゃ迷ってますw (2019年12月13日 22時) (レス) id: 238460b4ff (このIDを非表示/違反報告)
和美/美香 - いちのせさん» いえいえ!私も良かったです。そうなんですね、20日すぎくらいですかよ?楽しみにしてます。 (2019年12月12日 8時) (レス) id: 1f2c06e01c (このIDを非表示/違反報告)
いちのせ(プロフ) - 和美/美香さん» ありがとうございます!無事に終わって良かったです…。また冬休みあたりに新しいの出したいと思います! (2019年12月10日 17時) (レス) id: 238460b4ff (このIDを非表示/違反報告)
和美/美香 - いちのせさん» お久しぶりです。完結おめでとうございます。新しい作品待ってます (2019年12月10日 11時) (レス) id: 1f2c06e01c (このIDを非表示/違反報告)
和美/美香 - いちのせさん» そうですよね。分かります、ヒロくんは難しい。。 (2019年10月27日 16時) (レス) id: 1f2c06e01c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:いちのせ | 作成日時:2019年10月14日 21時