大切な人を見つけるお話【諸伏景光】

2話 ページ4

「はぁ……」



やっぱり彼女は………


諸伏はよからぬ考えに頭を横に振った



月島A、部下である彼女が姿を消したのはおよそ一ヶ月前＿＿





舞台は二棟並んだ雑居ビル
FBIのジェイムズ・ブラックの合図で突入してから組織の幹部との銃撃戦になった



こちら側にも沢山の死傷者が出た

組織の幹部となれば変なプライドでも付いてくるのか…次々と自分の頭に突きつけた拳銃の引き金を引いていった。



『まさかあのジンまで自ら…』



ピクリとも動かない彼らの死体を前に肩の荷が一気に降り、その場にへたりこんだ
これでやっと……



そう思った矢先、隣の棟が爆発した
凄まじい音と地響き、そして崩れたコンクリートが爆風で飛んでくる



『全員退避ー！！』



誰かがそう叫んだ



(死んでも身柄は拘束されたくないってか…)



これで終わったはずなのに、少し違和感があった
これで終わらせてくれないような気がした



(まさか…いや、そんなこと……信じない)



信じたくなかった

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