今日のおわりに（じゅりほく） ページ41
ガチャ…。
大きな音を立てないように、静かに静かにドアを開ける。
今の時刻は23:50分。
ギリギリ、間に合った…？
撮影現場からタクシーを飛ばして着いた場所は…。
「あ…、樹…寝てる…」
滅多に使わない合鍵で入った部屋のリビングでは、大好きな彼がソファーで眠っていた。
今日は大好きな彼の誕生日。
お祝いしたかった。
でもお互い仕事が入っていて、どうにも都合が付かなかった。
たけど。
どうしても。
今日中に顔を見て『おめでとう』って言いたかった。
だから…急いで彼の家に来たのに、大好きな彼は眠っていた。
眠ってる彼の顔を見つめ…起こさないようにそっとそばに寄り添う。
そして、
「樹、お誕生日、おめでとう…」
眠ってる彼に小さな声でお祝いの言葉を伝え、彼の薄い唇に自分のそれを重ねた。
触れるだけのキス。
…そっと離れた。
眠ってるから彼は知らないキス。
彼は知らなくて、でもやっぱり自分からキスするのは恥ずかしいなってちょっとだけ思う。
時計を見ると時刻は23:55分。
眠っているとはいえ、今日中に『おめでとう』を伝えられて良かった。
俺は眠ってる樹の胸にそっと頭を乗せて、
「…樹…だぁいすき…」
そうポツリと呟く。
すると、
「俺も」
え？
…樹？
大好きな彼の声が聞こえた。
俺はガバッと起き上がり、彼の顔をマジマジと見つめた。
すると薄目を開けた彼はニヤリと笑ったのだった。
「まさか…ずっと、起きてたの？！」
「ふふーん、さーね…？」
これは絶対に起きてたな…！
って事は…俺からキスしたのバレてる？！
顔が瞬時に熱くなるのが分かった。
きっと顔は真っ赤だ。
恥ずかしくなって戸惑う俺を、樹は攫うように抱きしめてきた。
「北斗、ありがとな…」
「樹…」
「北斗からのお祝いの言葉が一番嬉しいよ…」
樹の背中越しに見える時計は23:58分。
まだ間に合う！
俺は樹の顔を真っ直ぐ見つめた。
ちゃんと言いたい。
ちゃんと伝えたい。
「樹…26歳おめでとう。生まれてきてくれて、俺と出会ってくれてありがとう…」
そう伝えた俺と目を合わせた樹は、
「今日の締めくくりに、世界で一番愛してる北斗に祝われて最高の誕生日になったよ！」
一つ歳を重ねた樹は、最高に素敵な笑顔を俺に見せてくれた。
そして時刻はーーー0:00になった。
end
奪い愛 前編（きょもほく）→←愛しさの無限ループ��（ジェシほく）
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 1424人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「SixTones」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
おゆまる(プロフ) - モモさん» 読んで頂いてありがとうございます(*^^*)じゅったんがずっと襲いたい気持ちを抑えていたのに…ほくちゃんたら！もう！(o^^o)ってお話が書きたくなりまして…またこれからも読んでいただければ幸いです。 (2020年10月11日 21時) (
レス) id: fbd0396cf8 (このIDを非表示/違反報告)
モモ(プロフ) - じゅりほくありがとうございます！誘惑するほくがかわいいし、ライオンみたいな顔になるじゅりがセクシーで良かったです！ (2020年10月10日 13時) (レス) id: 669285bc42 (このIDを非表示/違反報告)
はなはな(プロフ) - おゆまるさん» わかりました！ありがとうございます！ (2020年10月10日 8時) (レス) id: c5e4af03bc (このIDを非表示/違反報告)
おゆまる(プロフ) - はなはなさん» 初めまして！読んで頂いてありがとうございます(*^^*)フォロリク条件はDMでは受付けてないのです…ごめんなさい！ 自己紹介欄か位置情報欄に記載でお願い致しますm(_ _)m (2020年10月10日 6時) (レス) id: fbd0396cf8 (このIDを非表示/違反報告)
はなはな(プロフ) - 初めまして！いつもおゆまるさんの作品を読ませていただいてます！Twitterのことなのですが、フォロリクの条件は自己紹介欄に記載でないといけないのでしょうか、、？もし、DM等でもいいのでしたら、そうしたいなと思いまして、、無理は言わないです！ (2020年10月9日 21時) (レス) id: c5e4af03bc (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：おゆまる
| 作成日時：2020年6月20日 23時
