ほくとをちょっと長く愛でる１ (ページ24)

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すれ違い10 大我side ページ24

北斗の後を追いかけて屋上まで来た。

屋上の扉を開けてみると、そこには北斗が1人たたずんでいて、
静かに空を見上げながら風を全身に受け止めていた。

静かに…目をつぶった北斗。

北斗…凄く、綺麗だ。

さっきまでのイライラが一瞬、鎮まった気がした。

でも、

ジェシーに抱きしめられていた北斗の姿がどうしても脳裏から離れず、
北斗に対してぶつけるのは間違ってるって分かってるのに、醜くひどい嫉妬心が抑えられなかった。

「北斗…」

「…京本…」

屋上に俺がいたことに驚いているようだった。

「なあ北斗？さっきはジェシーに抱きしめられて、嬉しかった？」

言わずにはいられなかった。

「ち、違う…それは…」

「耳まで真っ赤にしてさ…そりゃあ、まあ、嬉しいよね」

「京本、違くて…！」

「でもさ、北斗、もう俺に汚されちゃってるじゃん？
ジェシーはさ、処女だった北斗が今や俺の下であんなに乱れて、よがって、いやらしくなるって知らないんだろーね」

ひどい言葉を北斗にぶつける。
抑えられない。

「やだ、やめて…言わないで」

「北斗、今日も、うちに来てね」

「…京本、むり、連日は…俺、無理だよ…」

泣きそうな声で首を横に振る北斗。

一度連日抱いたら、その翌日の北斗は起き上がることができなくて仕事を急遽休んだことがあった。
それ以来、連日で北斗を抱かないようにしていたけど、今回は無理だ。

だってお仕置きはしないと。

勝手に俺以外の男に触れさせた罰。

「返事は？」

北斗に拒否する選択肢は与えてない。

「…分かった…」

力なく俯きながら返事をする北斗の手を引っ張って抱きしめた。

ジェシーに抱きしめられ記憶を上書きしないと。

「京本…？」

抱きしめた北斗の体温になぜかホッとする。

そして、ポカンとしてる北斗の唇にキスをした。

北斗とのキスは、
なぜかいつも、
どんな時も…甘かった。