ほくとをちょっと長く愛でる１ (ページ36)

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すれ違い22 大我side ページ36

打ち合わせ会議は順調に終わって、帰りにみんなで飲んで帰ろうかって話になった。

俺は北斗の体調がちょっと心配でチラッと見たら、北斗は相変わらずポワポワしてて…でも楽しそうにみんなの会話を聞いてる。

でも歩いてる姿がぎこちないし、やっぱり怠そう。

あ！
北斗の足元、ふらついて…転ぶ！

「北斗…！」

そう思った瞬間、とっさに体が動いて北斗を支えていた。

「あ、大我…ありがと…」

4人
「…！！…(北斗、『京本』じゃなくて、『大我』って呼んだ、しかもウルウルお目々できょものことジッと見てるし！)」

高地「うーん…きょも、じゃあ、俺ら…飲んで帰るから！北斗はきょもに送ってもらいな」

たろ「北斗！今日はちゃんと早く寝るんだぞ」

ジェシー「とりあえず、運動は控えめにな！」

樹「きょも、もう、俺ら分かってるからさ。今日は４人で飲んで帰るわ。じゃーまたな！」

4人は立て続けにしゃべると、俺と北斗だけ残し、タクシーに乗り込んであっという間に立ち去っていった。

「…大我…なんで、俺たち残されたの？」

「さあ…ねぇ」

北斗は全く分かってない感じ。

いつもはとても察しもいいし、頭の良い北斗。
でも確かにジェシーの言う通り、こういう事に関してはホント鈍すぎる…。

「北斗、ここにいても仕方ないし、帰ろうか？」

「うん」

「体つらい？車、呼ぶ？」

「ううん、大丈夫。大我と歩きたい」

そう言う北斗の歩調に合わせてゆっくり歩く。

特に話すことはないけど、２人で歩いていると自然に距離が近くなってて、いつの間にか手を繋いでた。

北斗の家と、俺の家との分かれ道までもうすぐ。

バイバイするため、
繋いでいた手をどちらからともなく緩め、指先だけで触れ合うくらいの繋がりになって。

あと１センチで手と手が離れる。

今日は、北斗を自宅でゆっくり休ませたい。
無理させたから…。

でも口をついて出てきた言葉は違って、

「うち、来る？」

「…行く」

自然にお互いの視線が絡み、

俺たちは、再び手をギュッと繋ぎ直してまた歩き始めた。

今日も…休ませてあげれる自信がない。

だけど、北斗もそれを望むなら…。

「今日も大我が…欲しいです…」

真っ赤になりながら小さな声で囁く君が世界一、可愛いかった。

happy end ♡