ほくとをちょっと長く愛でる１ (ページ29)

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すれ違い15 大我side ページ29

「北斗…？いま、なんて言った？」

『大我だけ、好きなのに…』

北斗の口から出てきた、まさかの言葉。

俺の聞き間違え…？！

心臓が一つ大きく鼓動した。

「あ…！…ごめん…ち、違うから…違うの…」

北斗は、必死に違うって首を振り続けてる。

「北斗？…お前…俺のこと…」

「ごめんなさい！…違うの…！…間違えだから、だから、もう、今日は帰る…帰りたい…」

北斗は顔を真っ赤にして…手で顔を隠してしまった。

「待てよ…北斗、逃げるな…」

俺の下から這い出ようとしてる北斗を引きずり戻して、顔を隠してる手を剥がし、ベッドに押さえ付けた。

「なあ、北斗…もう一回言って？」

真正面から北斗の目を見た。

なあ、北斗、言って？

もう一度。

俺は…臆病だから、

今まで北斗に酷いことしてきた自覚があるから…、

ごめん、俺からはおこがましくて言えない。

本当は言いたいのに。

でも北斗が、もし、本当に、そうなら…

応えたい。

「…無理…違う…迷惑かけたくない…」

「迷惑じゃないから、北斗！…北斗、頼む。もう一回、言ってくれたら…お前が望むこと俺…言える」

彷徨い続ける北斗の視線。

でも、一瞬止まって、俺と視線が絡み、

「…大我…好き…」

「俺も、北斗…お前だけが好きだ」