８３ 南の海 樹side ページ36
「樹…話があるんだ…」
風磨との結婚のため、引越し準備で荷物整理をしていたところに、高地が真面目な顔をしてやってきた。
「どうした、高地？」
「うん…あのさ、西の海から正式にうちに婚姻の申し入れがあったんだ…」
「えっ…じゃあ、慎太郎を嫁がせるの…？たしかに成人はしたけど…」
ついこの間、成人したばかりの慎太郎。
成人したとはいえ、まだまだ幼く可愛らしい。
早いなぁ、もうお嫁に行くのか…。
俺がそんなことをしみじみ思っていたら高地がとんでもないことを言ってきた。
「それが…西の海は北斗が欲しいって言ってきてるんだ…」
「北斗を？！」
「西の海の王子、ジェシーがどうしても北斗が欲しいって言ってるらしいんだ…」
よりによって…北斗を望むとは…！
高地が困り顔で相談に来たのもうなづける。
「まいったなぁ…北斗が妊娠してなければ良い話だったと思うけど。ジェシーは西の海の跡取りだから…まさか違う男の卵を妊娠してる姫なんて嫁がせられないよ…」
「そうだよな…困ったなぁ。どうやって断るか…理由が理由だし…」
北斗のお腹に卵がいるのはまだ俺たち家族しか知らない。
いずれは分かってしまうかもしれないけど、いま体調が悪い北斗の周りを騒がせたくない。
「そうなんだよね。でもさ…北斗を嫁がせるのは絶対に無理だから。なんとか諦めてもらうよう交渉してみる。樹…話を聞いてくれてありがとね…」
「高地…大変だな…。力になれなくてごめんな…」
いずれこの南の海の女王になる高地は、俺たちには分からないような大変な事が多い。
いつか高地を支えてくれる伴侶が早く見つかればいいなと俺は願わずにはいられなかった。
「大丈夫だよ。樹、いつも話を聞いてくれてサンキューな！まあ、お父様とも色々と相談して考えるよ」
そう高地と話している頭上に、ふと、大きな影ができた。
そして、次の瞬間、海の水が大きく揺れた。
「…！？…」
「…ジェシー…！」
赤い大きな尾を優雅に揺らし、俺と高地の前に泳いで現れたのは、たった今話をしていた西の海の唯一の跡取り王子であるジェシーであった。
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おゆまる(プロフ) - わなげさん» はじめまして！いつも読んでいただきありがとうございます(^-^)ほく姫ときょも王子がお好きなんですね、私も大好きです！今回はライバルのジェシくん登場でしばらくジレジレしますが最後までお付き合いいただければ嬉しいです(o^^o) (2020年9月1日 5時) (
レス) id: fbd0396cf8 (このIDを非表示/違反報告)
わなげ(プロフ) - はじめまして。わなげと申します。いつも作品拝見させていただいています。北斗くんがお姫様で京本くんが王子様なきょもほくが大好きです！早く2人がくっついてハッピーエンドになることを期待してます！これからも作品楽しみにしております(^-^) (2020年8月31日 23時) (レス) id: 1e254b4d31 (このIDを非表示/違反報告)
おゆまる(プロフ) - はぐさん» はぐさん、お久しぶりです！Twitterフォローしてくれたんですね！ありがとうございます(o^^o)嬉しいです！これからもよろしくお願いします(^-^) (2020年8月22日 23時) (レス) id: fbd0396cf8 (このIDを非表示/違反報告)
はぐ(プロフ) - お久しぶりです！Twitter開設おめでとうございます！フォローさせて頂きました( >ω< )これからも楽しみにしてます！ (2020年8月22日 22時) (レス) id: 34c3119b69 (このIDを非表示/違反報告)
おゆまる(プロフ) - 玲奈さん» 玲奈さん、ご無沙汰してます。コメントありがとうございます！ほくちゃん…授かってしまいました(o^^o)ちょっと一波乱です☆またコツコツ更新して行こうっと思ってます。玲奈さんの短編も楽しく読ませていただいてます。無理せず頑張ってくださいね！ (2020年7月25日 19時) (レス) id: fbd0396cf8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おゆまる
| 作成日時：2020年6月8日 22時
