５０ お城寝台 北斗side ページ3
「ん…」
眩しい…もしかして、ここは天国…？
目をパチパチ開けると、そこは見慣れたいつもの部屋の景色で、部屋の窓から太陽の光が眩しいくらいに差し込んでいた。
「…いっ…！」
起き上がろうとしたら下半身にズキンとした痛みが走り、またベッドに突っ伏してしまった。
あれ？おかしい…。
俺…昨日、大我に食べられたはずなのに…まだ生きてる…？
部屋を見渡しても大我の姿は部屋にはなく、代わりにベッドの横にたくさんのイチゴとカードが一枚あった。
『北斗へ
目覚めた北斗のそばにいられなくてごめんなさい。
どうしても急ぎの用事ができました。
今日は体がツライだろうから、ゆっくり休んでください。
大我より』
大我は、
俺を食べなかったんだ…。
食べるって言ってたのに…？
なんで食べなかったの？
途中で俺を哀れに思ったから？
それとも、一口食べたら美味しくなかったのかな…。
食べられなかった代わりに、何故か体がミシミシと痛む。
特に腰から下半身に力が入らない。
俺…どうしちゃったんだろ。
大我に恋人のキスされて気持ち良くて、身体中にも撫でられキスされて、なんだか幸せな気持ちになった。
でも、次の瞬間、体を引き裂くような激痛を感じて…もう死んじゃうんだ、食べられるんだって思ったんだ。
それからはもう怖くて…目も開けてられないし…記憶も、あまり覚えてない。
ただ、食べられて、これでもう死んじゃうから大我や、海の姉妹の樹たちとはこれでお別れなんだとは心の奥で覚悟を決めたんだ。
だけど、
俺は今、
ちゃんと生きてる。
と、言うことは…
今夜は満月で、俺が海に帰る日を生きて迎えたってことなんだよね。
ふと、そう思い出したら、涙が勝手に流れてきた。
海に戻っても生きていけない人魚の最後を迎えたくなかった。
海で生きられないなら、
海の藻屑と消えるその前に、大我に食べられて、生を終わりにしたかった。
大我は俺を可哀想に思って途中で食べるのを止めたのかもしれないけど、その大我の優しさが今の俺には一番残酷だよ…。
俺はイチゴを一つ口に入れた。
イチゴは甘くて酸っぱくて…少し、しょっぱくて…涙が止まらなかった。
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おゆまる(プロフ) - わなげさん» はじめまして！いつも読んでいただきありがとうございます(^-^)ほく姫ときょも王子がお好きなんですね、私も大好きです！今回はライバルのジェシくん登場でしばらくジレジレしますが最後までお付き合いいただければ嬉しいです(o^^o) (2020年9月1日 5時) (
レス) id: fbd0396cf8 (このIDを非表示/違反報告)
わなげ(プロフ) - はじめまして。わなげと申します。いつも作品拝見させていただいています。北斗くんがお姫様で京本くんが王子様なきょもほくが大好きです！早く2人がくっついてハッピーエンドになることを期待してます！これからも作品楽しみにしております(^-^) (2020年8月31日 23時) (レス) id: 1e254b4d31 (このIDを非表示/違反報告)
おゆまる(プロフ) - はぐさん» はぐさん、お久しぶりです！Twitterフォローしてくれたんですね！ありがとうございます(o^^o)嬉しいです！これからもよろしくお願いします(^-^) (2020年8月22日 23時) (レス) id: fbd0396cf8 (このIDを非表示/違反報告)
はぐ(プロフ) - お久しぶりです！Twitter開設おめでとうございます！フォローさせて頂きました( >ω< )これからも楽しみにしてます！ (2020年8月22日 22時) (レス) id: 34c3119b69 (このIDを非表示/違反報告)
おゆまる(プロフ) - 玲奈さん» 玲奈さん、ご無沙汰してます。コメントありがとうございます！ほくちゃん…授かってしまいました(o^^o)ちょっと一波乱です☆またコツコツ更新して行こうっと思ってます。玲奈さんの短編も楽しく読ませていただいてます。無理せず頑張ってくださいね！ (2020年7月25日 19時) (レス) id: fbd0396cf8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おゆまる
| 作成日時：2020年6月8日 22時
