７８ 南の海 北斗side ページ31
俺はジェシーが西の海へと帰ってから一人考えてしまった。
ジェシー、俺のこと好きだって言ってた。
初めて知ったジェシーの気持ち…。
俺は少しふっくらしてるお腹を撫でた。
ジェシーは卵の父親になってくれるって言ってた。
産まれてくる卵の為には、父親がいた方がいいに決まってる。
しかも父親が西の海の王子なんて…生まれてくる卵にとって最高な環境だよね。
だけど…俺は…俺は…。
俺が真珠貝のベッドの中で一人考えていると、慎太郎がやってきた。
「北斗ー！」
慎太郎は息を切らせていた。
そんなに慌てて、一体どうしたんだ？
「慎太郎…慌ててどうしたの？」
「北斗に食べてもらいたいものがあって！…北斗、今日は体調はどう？」
「いつもと変わらないかな。悪阻は苦しいけど、大丈夫だよ」
「そっか…何か食べられた？」
俺はその問いに首を横に振って答えた。
「…じゃあ、これを食べてみて？」
慎太郎は背中に担いでいた袋を開けると、中から赤くて丸い粒を取り出して俺の手に乗せてくれた。
「えっ…これって…イチゴ…？」
「うん、そうだよ！イチゴ！北斗、この間、食べたいって言ってたじゃん？」
見覚えのある赤くて小さな丸い形なフルーツ。
だけど海の中では決して手に入れられない食べ物。
「慎太郎…どこで手に入れたの？！」
「あ…うん。俺、海上に行ってきたんだ。海上の浜辺で見つけてきた」
「海上…」
慎太郎…一人で海上に行って来たの？
俺のために…？
「一人で海上に行ってきたの、樹と高地には内緒にしててね？さあ、北斗…食べてみてよ！」
なんだかワクワクしている慎太郎に促されるままに俺はイチゴを一粒口の中に入れた。
ジュワッと口の中いっぱいに広がる瑞々しくて甘酸っぱいエキス。
…美味しい。
気持ち悪くない…。
これなら食べられる。
「北斗…気持ち悪くない？大丈夫？食べられる？」
慎太郎が心配そうに聞いてくる。
「うん…食べられる…慎太郎、ありがとうね」
「良かった…！じゃあ、もっと食べて！」
慎太郎は俺の手に、イチゴを2個3個と乗せてくれた。
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おゆまる(プロフ) - わなげさん» はじめまして！いつも読んでいただきありがとうございます(^-^)ほく姫ときょも王子がお好きなんですね、私も大好きです！今回はライバルのジェシくん登場でしばらくジレジレしますが最後までお付き合いいただければ嬉しいです(o^^o) (2020年9月1日 5時) (
レス) id: fbd0396cf8 (このIDを非表示/違反報告)
わなげ(プロフ) - はじめまして。わなげと申します。いつも作品拝見させていただいています。北斗くんがお姫様で京本くんが王子様なきょもほくが大好きです！早く2人がくっついてハッピーエンドになることを期待してます！これからも作品楽しみにしております(^-^) (2020年8月31日 23時) (レス) id: 1e254b4d31 (このIDを非表示/違反報告)
おゆまる(プロフ) - はぐさん» はぐさん、お久しぶりです！Twitterフォローしてくれたんですね！ありがとうございます(o^^o)嬉しいです！これからもよろしくお願いします(^-^) (2020年8月22日 23時) (レス) id: fbd0396cf8 (このIDを非表示/違反報告)
はぐ(プロフ) - お久しぶりです！Twitter開設おめでとうございます！フォローさせて頂きました( >ω< )これからも楽しみにしてます！ (2020年8月22日 22時) (レス) id: 34c3119b69 (このIDを非表示/違反報告)
おゆまる(プロフ) - 玲奈さん» 玲奈さん、ご無沙汰してます。コメントありがとうございます！ほくちゃん…授かってしまいました(o^^o)ちょっと一波乱です☆またコツコツ更新して行こうっと思ってます。玲奈さんの短編も楽しく読ませていただいてます。無理せず頑張ってくださいね！ (2020年7月25日 19時) (レス) id: fbd0396cf8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おゆまる
| 作成日時：2020年6月8日 22時
