３３ お城 北斗side ページ35
俺に二本足が付いてからまずは立つ練習をした。
「痛い、痛い…痛いよ…！」
二本足は立つだけでもの凄い激痛。
しかも一歩足を前に出すだけで痺れるような痛みが走る。
涙がポロポロ溢れる。
「北斗…痛いよね…代わってあげれなくてごめんね、でも、北斗なんとか頑張って…！」
何日か練習していくと日に日に痛みが無くなり、立ったり歩いたりが少しずつできるようになってきた。
京本は毎日俺に根気強く付き添い、一緒に練習してくれて、練習が終わると必ず酷使した足を冷たい水に浸し綺麗に洗ってくれた。
二本足になってもやっぱり水が恋しくて、水に浸かるとホッとした。
チャプン…
「北斗？気持ちいい？」
「気持ちいい…」
大我が俺の足に冷たい水を掛けながら丁寧にマッサージしながら洗ってくれている。
「ずいぶん歩くの上手になったね。北斗に似合う靴を作ったから明日はそれを履いて俺と少し遠くに出かけてみようか」
大我は綺麗な笑顔で俺に笑いかけた。
「うん。」
「じゃあ、北斗、そろそろ体が冷えちゃうから水から上がるよ？」
大我が俺を抱き上げて柔らかな生地に包み優しくベッドに下ろしてくれる。
パサッ
俺の短い髪の毛がシーツに広がる。
「北斗の髪の毛…短くなっちゃったね」
人魚から人間になった時に何故か長かった髪の毛が短くなってしまった。
「うん…髪、短いの変かなぁ…」
俺は短くなってしまった髪を触りながら大我に聞いてみた。
人魚は長い髪は『姫』、短い髪は『王子』の証。
だから『姫』の俺はずっと髪は長かったのだ。
「変じゃないよ。短い髪も可愛い。髪が短くても長くても、北斗は可愛いよ」
大我は俺を真っ直ぐ俺を見つめ、短くなった髪を撫でながらそう言ってくれた。
大我に可愛いっていわれると…なんだか恥ずかしくなって胸がドキドキする。
たぶんそれは、俺を見つめてくる大我が綺麗すぎるせいだ。
大我は人間の『王子』だって言ってた。
『王子』だけどカッコいいだけじゃなくて綺麗でもあるなんてずるいよね。
「疲れたよね…。北斗、少しお昼寝しようか」
大我に抱きしめられて優しく体をトントンとされていくと自然に眠くなってくる。
「北斗…おやすみ…」
俺は大我の温もりに包まれていつの間にか眠ってしまった。
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おゆまる(プロフ) - 名もないさん» 早速なおしました！教えて頂きありがとうございました！ (2021年9月18日 18時) (
レス) id: fbd0396cf8 (このIDを非表示/違反報告)
名もない - 36お城の「練習しようよ」が「練習ようよ」になってます！ (2021年9月18日 17時) (レス) id: 41a47282a9 (このIDを非表示/違反報告)
おゆまる(プロフ) - リおさん» コメントありがとうございます！めっちゃ面白いって言っていただけて嬉しいです(o^^o)他のお話も読んでいただいてるんですね、嬉しいです！更新は不定期になりますが頑張ります！ (2020年6月8日 9時) (レス) id: fbd0396cf8 (このIDを非表示/違反報告)
リお(プロフ) - めっっっちゃおもしろいです（ ; ; ）更新頑張ってください…！おゆまるさんの作品全部大好きです…！！ (2020年6月3日 21時) (レス) id: 1a67c38f2a (このIDを非表示/違反報告)
おゆまる(プロフ) - 腐女子ちゃんさん» いつもコメントありがとうございます！ほくちゃん…初恋に戸惑ってます。すれ違いってツラいですが、ほくちゃんには最後は幸せになってもらう予定です！ 更新頑張ります(o^^o) (2020年5月31日 16時) (レス) id: fbd0396cf8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おゆまる
| 作成日時：2020年4月5日 23時
