２１ 海中 樹side ページ22
樹side
「おかえり慎太郎…？！泣いてるの？どーした？ってか、北斗は？」
夜明けと共に慎太郎が帰ってきた。
だけど何故か泣きながら、取り乱した様子で一人で帰ってきた。
北斗は？
北斗はどうしたんだ？
「じゅりぃ…北斗…人間に捕まった…グスッ…うわーん」
「え！ええっ！！」
慎太郎はそれだけ言うと声を上げて泣き始めた。
「マジか…！？…慎太郎？…泣いてちゃ分からないから…ちゃんと話して？」
とりあえず話を聞かないと…！
取り乱してる慎太郎を落ち着かせて、抱きしめて、大丈夫だからと何度も言ってなだめる。
「俺のせいなの…俺が悪いの…俺を助ける代わりに…人間のところに行ったの…」
慎太郎は、ポツリ、ポツリと海上であったことを話してくれた。
「……そうだったのか…」
北斗…おまえバカだ…。
自分の身を捧げたようなもんだ。
それでも…どうしても、慎太郎を助けたかったんだよな…。
もし同じ状況が俺に起こったら、きっと北斗と同じ判断しただろう。
「慎太郎？次の満月に海に戻すって、その人間は言ってたんだな？」
「うん、言ってた。その人間…いい人間な気がしたよ。だから北斗、次の満月には帰ってくるよの？」
その人間は、本当に北斗を返してくれるのか？
分からない…。
北斗を連れて行った人間は、
ただ人魚に興味があるだけで飽きたら海に戻してくれるのか？
それともそれはただの口実で人魚を晒し者した挙句、食べる気なのか…。
今まで海から陸に行き、帰ってきた人魚はいない。
しかもその人魚たちの「華鱗」は必ず海に捨てられてきた。
北斗もこの話を知らないわけないんだから、覚悟してその人間の元に行ったはず。
もう海に二度と戻れない覚悟。
慎太郎は、まだそこまで分かってないから、次の満月に北斗を迎えに行くと涙ながらに言ってる。
「慎太郎…よく無事に帰ってきたね。良かった。お前まで帰って来なかったら…。北斗は次の満月には帰ってくるから大丈夫だよ。慎太郎は、もう泣かないで、な？」
慎太郎を安心させたかった。
慎太郎には北斗は戻ってくるから大丈夫だと安心さて、真珠貝のベッドに寝かせた。
慎太郎は泣き疲れてすぐに眠ってしまった。
北斗…北斗…今、どうしてる…心配で胸が締め付けられるように痛む。
水のある所にいられるのか？
それとも陸にそのまま放置されてるのか？
何とか頑張ってくれ！
必ず俺たち北斗を迎えに行くから。
俺はこの話をする為に高地の元に向かった。
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おゆまる(プロフ) - 名もないさん» 早速なおしました！教えて頂きありがとうございました！ (2021年9月18日 18時) (
レス) id: fbd0396cf8 (このIDを非表示/違反報告)
名もない - 36お城の「練習しようよ」が「練習ようよ」になってます！ (2021年9月18日 17時) (レス) id: 41a47282a9 (このIDを非表示/違反報告)
おゆまる(プロフ) - リおさん» コメントありがとうございます！めっちゃ面白いって言っていただけて嬉しいです(o^^o)他のお話も読んでいただいてるんですね、嬉しいです！更新は不定期になりますが頑張ります！ (2020年6月8日 9時) (レス) id: fbd0396cf8 (このIDを非表示/違反報告)
リお(プロフ) - めっっっちゃおもしろいです（ ; ; ）更新頑張ってください…！おゆまるさんの作品全部大好きです…！！ (2020年6月3日 21時) (レス) id: 1a67c38f2a (このIDを非表示/違反報告)
おゆまる(プロフ) - 腐女子ちゃんさん» いつもコメントありがとうございます！ほくちゃん…初恋に戸惑ってます。すれ違いってツラいですが、ほくちゃんには最後は幸せになってもらう予定です！ 更新頑張ります(o^^o) (2020年5月31日 16時) (レス) id: fbd0396cf8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おゆまる
| 作成日時：2020年4月5日 23時
