９ 浜辺 大我side ページ9
城の中は先日から、お見合いのため近隣国のお姫様や貴族の娘達でいっぱい。
息が詰まりそう。
そんなに結婚させたいのかね？
俺は深夜にこっそり城を抜け出した。
実は俺には秘密の場所があるんだ。
以前、狩をした時に見つけた森の奥にある静かな入り江。
たぶん人が滅多に来ない。
俺は1人になりたい時は城を抜け出し、ここに来るようになった。
京「え…？誰かいる？！」
てっきり誰もいないかと思ったら海辺から話し声が聞こえる！
京「マジかー…こんな辺鄙なところに人来るか？」
俺は木の影から海辺にいる人たちの様子をこっそり伺った。
３人いる？
こんな夜中に海に入ってるけど、寒くないのか？
あ、浜辺に上がってきた。
えっ…なに？！
下半身が…魚…？
え？…？！
まさか、人魚…？！
俺は目の前に見えているのが幻ではないかと何度も目を擦って見返した。
やっぱり、間違いない！
海辺には３人の人魚がいたんだ。
赤髪で青尾の人魚
茶髪で緑尾の人魚
黒髪で桃尾の人魚
３人の人魚は凄く仲が良さそうだった。
俺はその中の黒髪の人魚に目を奪われた。
３人の中で一際綺麗で…ほのかな色気と可愛らしさが混在していて目が離せなかった。
2人の人魚が海に入って行き、黒髪の人魚が1人浜辺に残った。
俺はもっと近くで見たくて、そっと黒髪の人魚の側に近寄った。
黒髪の人魚は、月を眺めたり、歌を歌ったり、尾っぽで水面を叩いてみたり、一人で楽しそうにしていた。
この人魚が欲しい。
俺のものにしたい！
俺は胸の奥から湧き上がる熱い気持ちが抑えられなかった。
しばらくすると2人の人魚が浜辺に戻ってきた。
「お帰り慎太郎、楽しかった？」
たろ「うん、楽しかった。また来たいなぁ、北斗〜ダメ？」
「仕方ないなぁ、じゃあ次の満月に来ようか？」
たろ「わーい！やったー！北斗、大好き！」
樹「じゃあ、そろそろ帰るぞ、あと少ししたら夜明けだから」
「そうだね、帰ろうか」
そんな話をしていたかと思ったら３人の人魚は「パシャン」という音と共にあっという間に海に入ってしまった。
京「あ…待って…！」
思わず木の影から海辺に出たけど、人魚たちの姿はもう見えなかった。
黒髪の人魚…「北斗」って呼ばれてた。
あと、次の満月にまた来るって話していたよね？
「北斗」が座っていた場所に行ってみると、桜貝みたいなピンクの小さな鱗が一枚落ちていた。俺はそれを拾った。
次の満月にこの場所に必ず来ようと思った。
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おゆまる(プロフ) - 名もないさん» 早速なおしました！教えて頂きありがとうございました！ (2021年9月18日 18時) (
レス) id: fbd0396cf8 (このIDを非表示/違反報告)
名もない - 36お城の「練習しようよ」が「練習ようよ」になってます！ (2021年9月18日 17時) (レス) id: 41a47282a9 (このIDを非表示/違反報告)
おゆまる(プロフ) - リおさん» コメントありがとうございます！めっちゃ面白いって言っていただけて嬉しいです(o^^o)他のお話も読んでいただいてるんですね、嬉しいです！更新は不定期になりますが頑張ります！ (2020年6月8日 9時) (レス) id: fbd0396cf8 (このIDを非表示/違反報告)
リお(プロフ) - めっっっちゃおもしろいです（ ; ; ）更新頑張ってください…！おゆまるさんの作品全部大好きです…！！ (2020年6月3日 21時) (レス) id: 1a67c38f2a (このIDを非表示/違反報告)
おゆまる(プロフ) - 腐女子ちゃんさん» いつもコメントありがとうございます！ほくちゃん…初恋に戸惑ってます。すれ違いってツラいですが、ほくちゃんには最後は幸せになってもらう予定です！ 更新頑張ります(o^^o) (2020年5月31日 16時) (レス) id: fbd0396cf8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おゆまる
| 作成日時：2020年4月5日 23時
