２９ お城 北斗side ページ30
目が覚めると身体が柔らかいもので包まれていて、水の中にではない、フカフカの大きなベッドに寝ていた。
「北斗？！起きた？」
大我の声がすぐ隣から聞こえてきた。
「大我…？あれ？…俺、死んじゃったんじゃないの？」
「北斗は死んでないよ。痛かったよね…北斗、ごめんね。でも北斗が頑張ってくれたから…ほら！」
大我は体を包んでいた軟らかな毛布をパサリと捲った。
「…えっ…！？」
そこには見慣れた自分の桃色の尾は無く、代わりに人間と同じような二本足が生えていた。
「え…二本足？？あ、あの…俺の…尾が無い…」
「そうだよ。これから北斗が陸で人間との生活がしやすいように二本足に変えたんだよ。北斗に相応しく綺麗な脚だよね。触ってみる？」
俺は恐る恐る自分に生えた「脚」とやらに触れてみた。
サラリとしていて不思議な感じがした。
鱗の感じとは全く違っていた。
下半身に力を入れると、足先がピクリと動いた。
だけど足の全部は動いてくれなかった。
「大丈夫だよ北斗、まだ慣れないだろうけど、俺と少しずつ歩く練習しよう。北斗には連れて行きたい所もあるし、沢山見せたい場所もあるんだ」
大我は嬉しそうに俺の足を撫でている。
「でも、北斗って…実は男の子だったんだね。可愛いのが付いてる…北斗はとても美人さんだから女の子かと思っていたよ」
足と足の間に小さな突起があり、大我はそれを見ながらそんなことを言ってきた。
「違うよ…男の子じゃない。俺は『姫』だから…『王子』でもないし…」
「んー？どういうこと？人魚の世界は男女の区別がまた違うのかな？北斗、教えてくれないかな？」
うーん？人間は違うのかな？
なんだかよく分からないけど、大我に俺たち人魚の性別について説明した。
「人魚は両性なんだ。でもその中で、卵を産める者は『姫』と呼ばれるんだよ。だから俺は『姫』なの。で、海を治める跡継ぎを作れる者は『王子』なんだよ」
「なるほどね、じゃあ、北斗は『姫』ってことは卵を産めるんだね」
「そうだよ」
「そうなんだね…卵産めるんだね、良かった。北斗の卵から産まれる赤ちゃんは可愛いだろうね。それにしても北斗は美人だよね。そんなに美人なのは『姫』だからなのかな？笑」
大我はニコニコしながら俺の話を聞いているけど、なんだがホッとしてるみたい。
俺が卵を産めることがそんなに大事なのかな？
でも俺は誰とも結婚するつもりはないから卵は産む予定はないんだけど…。
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おゆまる(プロフ) - 名もないさん» 早速なおしました！教えて頂きありがとうございました！ (2021年9月18日 18時) (
レス) id: fbd0396cf8 (このIDを非表示/違反報告)
名もない - 36お城の「練習しようよ」が「練習ようよ」になってます！ (2021年9月18日 17時) (レス) id: 41a47282a9 (このIDを非表示/違反報告)
おゆまる(プロフ) - リおさん» コメントありがとうございます！めっちゃ面白いって言っていただけて嬉しいです(o^^o)他のお話も読んでいただいてるんですね、嬉しいです！更新は不定期になりますが頑張ります！ (2020年6月8日 9時) (レス) id: fbd0396cf8 (このIDを非表示/違反報告)
リお(プロフ) - めっっっちゃおもしろいです（ ; ; ）更新頑張ってください…！おゆまるさんの作品全部大好きです…！！ (2020年6月3日 21時) (レス) id: 1a67c38f2a (このIDを非表示/違反報告)
おゆまる(プロフ) - 腐女子ちゃんさん» いつもコメントありがとうございます！ほくちゃん…初恋に戸惑ってます。すれ違いってツラいですが、ほくちゃんには最後は幸せになってもらう予定です！ 更新頑張ります(o^^o) (2020年5月31日 16時) (レス) id: fbd0396cf8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おゆまる
| 作成日時：2020年4月5日 23時
