『番』になってからの初診察�� ページ5
「北斗くん、一つだけ確認させてくれないかな？」
俺の話をじっと聞いていてくれた先生が真剣な面持ちで口を開いた。
「はい、なんですか…？」
「京本くんと『番』になったって言ってたけど、それは、双方同意の元に『番』になったんだよね？一方的に…京本くんが無理矢理、北斗くんの項を噛んだわけではないよね？」
先生は真っ直ぐ俺を見つめていた。
先生の眼差しは真剣で…俺を本気で心配していた。
「大丈夫だよ、先生。俺は無理矢理噛まれた訳じゃないよ。京本とね…沢山話し合ったんだ。
時には悩んだり、不安になったけど、お互いに思いを伝え合って、沢山沢山…話し合った。
それでね、俺が京本の『番』になりたいって心から思った。俺が望んだんだよ」
俺は顔を上げてしっかり先生の目を見ながら、自分の思いを伝えた。
「そうですか…それならば、良かった…」
先生は顔を綻ばせると、ニッコリ笑いながら喜んでくれた。
「先生、心配してくれてありがとう。それでね、やっぱり今回もヒート後の体を診てもらいたくて…今日は病院に来ました。京本に項を噛んでもらったんだけど、俺は擬態Ωだから…本当にちゃんと京本の『番』になってるのかなって…不安も少しだけあって…」
京本には言えなかった小さな不安。
先生は、そんな俺の気持ちを理解してくれたようで黙って頷いていた。
「それでは北斗くん、体を少し診て見ましょうしましょうかね」
俺は先生に促されるまま「お願いします」と言って、素直に頷いた。
初めてヒートを終えた後に診察した時のように、今回も採血をしてホルモン値を調べ、体も隅々まで診てもらった。
やっぱり…今回も恥ずかしかったけど、京本を受け入れた部分も…診てもらった。
そして、項もーーー、
京本が噛み、傷跡になっている噛み跡も、本当は触られたくなかったけど、我慢して医療用の手袋をした先生に診てもらった。
検査を全て済ませ、ホッと一息吐きながらしばらく待合室で待った。
そして先生に、また診察室に呼ばれ診察室に入ると、先生は満面の笑みで待っていた。
「北斗くん、検査の結果が出ましたよ。北斗くんは間違いなく『番持ちΩ』になってます。良かったですね、おめでとう！」
俺は先生の言葉にホッとして…思わず涙が一雫溢れてしまった。
.
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おゆまる(プロフ) - 栢木 紡麥さん» 更新のたびに初めの方から読み返していただいていたなんて感激です！番外編も楽しんでいただけたら幸いです😊 (2022年10月7日 12時) (
レス) id: fbd0396cf8 (このIDを非表示/違反報告)
おゆまる(プロフ) - みみこはさん» ありがとうございます！番外編の2人にも癒されていただければ嬉しいです😊 (2022年10月7日 12時) (レス) @page21 id: fbd0396cf8 (このIDを非表示/違反報告)
栢木 紡麥(プロフ) - 完結おめでとうございます！大好きな作品で話が追加される度に初めの方から見返していたので悲しい気持ちもありますが、番外編の方も楽しみにしています (2022年10月6日 23時) (レス) @page20 id: bb37474c14 (このIDを非表示/違反報告)
みみこは - 本編完結おめでとうございます！いつも2人に癒されておりました😊番外編も楽しみにしています！ (2022年10月5日 22時) (レス) @page19 id: 36f66a6694 (このIDを非表示/違反報告)
おゆまる(プロフ) - Mizukiさん» 更新、楽しみにして頂いていたんですね！ありがとうございます😊番外編も楽しみにお待ちくださいませね。 (2022年10月4日 17時) (レス) id: fbd0396cf8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おゆまる
| 作成日時：2022年6月12日 11時
