Sweet × Sweet 2 (ページ48)

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「北斗…行くな…！お前が居なくなったら…俺は『春の国』の王にはなれない！」

「た、大我様…離して…！」

「いや、離さない。『春の国』の王になる為には、最も愛する人を伴侶にしなければなれないんだ」

「だったら…優吾様がいらっしゃるではありませんか！」

俺は涙が止まらなかった。

この期に及んで大我様から優吾様への想いを聞かされるなんて…！

「違う！俺の最愛の人は北斗…お前だ。だから行くな！」

「えっ…！た、た、いが…さま…？！」

「俺の伴侶は北斗だ！だから…行くな！それにな…」

大我様は俺を正面から抱きしめてから、一度俺を離し、目を見つめながら話を続けた。

「北斗の生まれた『冬の国』にはちゃんと北斗を俺の伴侶に欲しいとの許しは貰っている」

「ふ、『冬の国』…？！」

「…そうだよ、北斗は『冬の国』の王子。だから『雪』の力があるんだよ。
北斗を助けた時に本当は『冬の国』に返してあげなくちゃいけなかったんだ。だけど一目見た瞬間から北斗が俺の運命の伴侶なのだと分かった。
出会ってしまった運命の伴侶と引き離されるなんて俺には考えられなかった。
だから北斗をずっと俺のそばに留めた。
『冬の国』からはお叱りを受けたけど、どうしても北斗を手離すことはできなかった」

大我様の言葉は衝撃的で俺は目をパチパチと瞬きすることしかできなかった。

「北斗を親元から引き離してしまったのは本当に申し訳なく思ってる。でも俺はずっと北斗に気持ちを伝えてきたつもりだった。
部屋も伴侶の部屋を与え、大切に愛情を掛けてきたつもりだった。
でもお前は…俺の気持ちは知ってか知らずか、ずっと俺の側仕えとしての立場を変えようとはしなかった。
そんな状態の北斗に結婚しようと言ってもお前は絶対に受け入れなかっただろ？逆に逃げ出しただろう。
だから、親友の優吾に協力してもらって…偽の婚約者になってもらって結婚式の段取りを進めた。
ずるい俺は結婚式当日まで黙ってて、北斗の逃げ道を塞ごうと画策した。
…だけど、まさかその前夜に北斗に逃げられるなんて思わなかった…」

「あ…俺…どうしたら…」

「北斗…北斗の気持ちが知りたい。北斗が嫌なら…無理強いはしない…だから、北斗の本音を聞かせておくれ。
北斗は何故、優吾と俺が2人でいる姿を見るのが辛いと思ったの？
俺はね…北斗を愛してる。
この世で一番大切に思っている」

大我様は切なげに眉を寄せながら俺をじっと見つめてきた。

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