・ ページ34
「何がって…いま、『ジュリ』って言っただろ？」
「あ、それは…間違っちゃった…」
「お前…、間違いって…！」
「イツキ…ごめんなさい。俺の好きな人…『ジュリ』って言うの。樹は俺の幼馴染でね、何でもできるし、かっこいいし、人気者なんだ。
そんな彼はいつも俺のそばにいてくれるんだけど、だけど俺はそんな彼には相応しくなくて…自信がないんだ…」
「…北斗…」
「初めてイツキを見た時に、樹とそっくりで驚いた。イツキから誘われて、好きだって言われて嬉しかった。でもね、やっぱり俺は樹が好きなの…イツキ…ごめんなさい」
「…北斗…ほんとに…お前って奴は…」
イツキは俺にちょっと待ってろと言うと、バスルームに消えた。
一体…なんだ…？
しばらくするとシャワーの水音が消え、バスルームからイツキが出てきた。…はずなのに…。
そこには黒髪のイツキではなく…何故か明るい髪色の樹がいたのだ！！
「じゅ、樹！？…あれ？イツキは…？！」
「バカ…！！北斗！なんでここまでして、気付かないんだ！」
「へ…？…あ、ああっ！も、もしかして…樹とイツキって…！」
ど、ど、同一人物？！？！
絶叫して、唖然としてる俺の前に仁王立ちしてる樹は目を吊り上げて俺を睨んでいる。
「ってか、髪の色変えて、ちょっとメガネしただけだろ？なんで俺だって分からないんだよ…！」
「だって…まさかだもん…！まさか…樹だなんて分からなかった…」
「まったく…どれだけ長い事お前の側にいたと思ってるんだ！鈍感！ずっと北斗が好きだと伝えていただろ？なんで信じないんだ？自信持てよ！でも、もう捕まえたからな。…たとえこれからまた俺に似た奴が現れても絶対に余所見すんなよ！」
「う、うん…ぐすん…」
「泣くなよ…」
「だ、だって…イツキが…樹だったなんて…俺、ずっと好きな人に抱かれてたってこと…？」
「そうだよ…お前が抱かれていい相手はこの世でたった一人だけ、俺だけだからな！」
俺がお前を俺以外に抱かせるわけないだろ！って言いながら樹は俺を強く抱きしめた。
そして、樹は『樹＝イツキ』って読むだろ？って名前の秘密も教えてくれた。
最初からヒントはあったのになんで気が付かなかったのだろうかと落ち込んでいたら、鈍感過ぎるのは玉に瑕だけど、そんなところも北斗の可愛いところだから仕方ない。
結局は惚れた弱みだな…と、樹は目尻に皺を作りながら笑っていた。
.
ギブアンドテイク（pink・オメガバ）→←鈍感過ぎるにも程があります（blue）
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 744人がお気に入り
お気に入り作者に追加
この作品を見ている人にオススメ
この作品を見ている人にオススメ
「SixTones」関連の作品
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：おゆまる
| 作成日時：2022年1月23日 14時
