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「高地は…俺が…好きなの…？」
「…好きだ…友達としてはもう見れない…北斗は…特別なんだ…」
「特別…？本当…？」
「本当だよ…」
きっと北斗は俺のことを純粋に友達だと思ってくれていたのだ。
そんな俺からの突然の告白。
戸惑って当然だろう。
「高地…」
北斗が腕の中から俺を見上げた瞬間、濃厚な蜂蜜の様な甘い匂いに包まれた。
「北斗…？！」
「ツガうの…本当に、お、俺…俺で…いいの…？」
潤んだ瞳から幾く粒も涙が溢れ、北斗の頬を濡らす。
「北斗がいいの。北斗を他所のαになんてやれない…！俺と『番』になろう…！」
「ば、ばか…だよね…高地は。女αや女Ωを番に選べるのにさ。高地はαの癖に…いつも最良の選択をしないんだ。いつも優しくて、厳しくできない。だから俺みたいな…お荷物になるΩ社員もずっと押し付けられてきてさ…」
「バカで悪かったな…」
「…そんな…高地が…好き…好きだよ。
入社式で隣になってからずっと高地を見てきた。
αの癖に優しい男で…Ωの俺をちゃんと対等に見てくれてた。ずっとずっと…好きだった。
友達になれただけで幸せだったのに…友達以上なんて望んでなかったのに…。
でも…もう…無理…そんな事いわれて…思いが溢れちゃったよ…高地が、大好きだよ…」
「北斗…」
北斗は甘いフェロモンを出しながら、痩せて細くなってしまった手を伸ばし俺に抱きついてきた。
「待たせてごめん…もっと早く…お前に告白すれば良かった…こんなに痩せるまで無理させた…」
北斗は俺に抱きつきながら首を横に振る。
「なぁ北斗…お前のフェロモンは甘くて…抑制剤飲んでるのに…我慢できそうにないよ。だから少しだけ離れてくれないか？」
「や…やだ…」
北斗は余計に強くしがみ付いてきた。
「…抱いてよ…高地…、俺たち『番』になるんでしょ？だったら…俺を抱いて…」
「北斗…！？」
「ダメなの…？やっぱり男Ωの俺は抱けない…？」
「そんなわけないだろ？俺だって北斗を抱きたいよ。だけど…このまま抱いたら…止められない…抑制剤も予備は持ってないし…きっと北斗を抱き潰す。それでも…？」
「それでも…いいから…。高地が欲しいよ…俺の項を噛んで…！」
『項を噛んで…！』
北斗から、とどめの言葉を言われてしまった。
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作者名：おゆまる
| 作成日時：2022年1月23日 14時
