桃の国バージョン11〜理由が分からない〜 ページ37
「バカだなぁ…北斗。泣かないで…俺はどこにも行かないよ」
大我王子は泣きじゃくっている北斗姫の背中を優しくトントンとしながら抱きしめた。
「ご、ごめんなさい…こんな事…言っちゃいけないのに…大我王子にも…ご迷惑を…ごめんなさい…」
「迷惑？なんで？迷惑なんかじゃないよ。北斗…なんで俺が結婚してからずっと北斗の所に来ていたか…理由、分からない？」
大我王子の纏っている雰囲気がさっきとはまるで違い柔らかなものに変化していた。
口調も優しい。
「…正妃の…役割が、あるので。早く、懐妊する為かと…」
「あー…まあ、ね、それも有るけど…それならさぁ、子ができやすい時期だけ北斗の所に来ればいいでしょ？毎日くる必要はないよね？」
大我王子は北斗姫の顔を覗きこんだ。
「…？…では、皆様の手前…仲の良さをアピールする為でしょうか？結婚間もないので、形ばかりの正妃である私にも優しくしてくださっていたのでは…？」
「…うーん…そうきたか…、たとえそうだとしてもさ、毎日毎日、正妃のところにくる必要はないよね？たまに、みんなが見てる前だけ仲良くしてればいいんだしさ」
確かにそうだけど…。
ならば他に理由が浮かばない。
なんで大我王子は、毎日私の所に来ていたのだろうか…？
「北斗？北斗はさ、後宮内全体を見て回ったりした？あと、この後宮に来てから俺の側室は正妃である北斗に挨拶にきた？」
「後宮内を見て回ったりはしてません…。側室の方々にもお会いしたことは…ありません…」
北斗姫は後宮にこの部屋を与えられてから、自分の部屋と自分専用だと言われた庭以外に出歩いてはいなかった。
後宮の中を回れば、いやでも側室たちと顔を合わせることになるし、北斗姫は自分に与えられたこの広すぎる部屋と素晴らしい花々が咲いている庭で何不自由なく生活できていたのである。
「そっか、北斗は後宮内を見たことないのか…。でもさ、普通は側室なら正妃に挨拶にくるでしょ？もう3ヶ月も経つんだし」
確かにそうだけど…
「側室の方たちは…もしかしたら私が嫌なんだと思います…。大我王子の正妃になったのがこんな年増で不美人な冴えない女なんですから…」
北斗姫は自分で自分の現実を言ってて悲しくなってしまった。
桃の国バージョン12〜後宮の秘密〜→←桃の国バージョン10〜秘めた本音は〜
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おゆまる(プロフ) - 950618さん» コメントありがとうございます(^-^)私も「桃の国」バージョンを早く書きたいなと思いながら最後にとっておきました(o^^o)大我王子の後宮に入る北斗姫をお楽しみにしていてくださいね！ (2020年8月11日 22時) (
レス) id: fbd0396cf8 (このIDを非表示/違反報告)
950618(プロフ) - 桃の国バージョン待ってました！北斗姫どうなるのか楽しみです！ (2020年8月11日 12時) (レス) id: deccfec011 (このIDを非表示/違反報告)
おゆまる(プロフ) - やんちゃるもんちゃさん» コメントありがとうございます。虜になったなんて言って頂いて…！ありがとうございます！これからもお付き合いいただければ嬉しいです(o^^o) (2020年7月5日 20時) (レス) id: fbd0396cf8 (このIDを非表示/違反報告)
やんちゃるもんちゃ(プロフ) - BLに興味のなかった私が一夜にして虜に…おゆまるさん恐るべし (2020年7月5日 13時) (レス) id: 3f51932bf1 (このIDを非表示/違反報告)
おゆまる(プロフ) - みんとさん» コメントありがとうございます！私の書くきょもほくを好きになっていただき嬉しいです(o^^o)更新、不定期になりますが頑張ります！ (2020年5月22日 20時) (レス) id: fbd0396cf8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おゆまる
| 作成日時：2020年5月19日 17時
