桃の国バージョン10〜秘めた本音は〜 ページ36
この3ヶ月、北斗姫の部屋に通い続けている大我王子に北斗姫はついに、あるお願いをしたのだった。
「大我…お願いがあります」
「ん？なーに？北斗のお願いなら何でも叶えてあげるよ」
大我王子は優しく微笑んだ。
「…あの…他の方…他の側室方の所にもお通い下さい…」
「え…？どういうこと？」
大我王子の顔が一瞬にして曇った。
「…私の所に3ヶ月毎日通って下さってます。後宮を治める正妃としては…他の姫様方にも、大我王子の寵をお与えいただきたくて…お願いします」
北斗姫は段々顔を上げていられなくなり…しまいには俯いてしまった。
「ねぇ…北斗はそれでいいの？俺が他の姫を抱いてもいいの？」
大我王子の声色は何故か怒りに満ちていた。
「は、はい…もち、ろん…です」
本当は嫌。
でも…これは正妃の務めだから。
一夫多妻の桃の国では大我王子を独り占めすることは出来ない、してはならないのだ。
「北斗…顔を上げて？俺を見て？」
恐る恐る顔を上げる北斗姫。
「もう一回聞くね？本当に俺が北斗以外の姫を抱いてもいいの？」
大我王子が強い眼差しで北斗姫に聞いてきた。
なんて酷い質問なんだろう。
正妃である私の答えは決まってるのに。
「は、はぃ…」
「本当に？…正妃としではなく、北斗自身の気持ちを聞きたい」
私の気持ち…。
私は、私は…大我王子が他の姫に寵を与えるなんて本当はイヤだ…。
北斗姫は大我王子の絵姿に見惚れ、形だけの妻でいいと嫁いで来たのにいつの間にか大我王子の事を心から好きになっていた。
北斗姫は自分が大我王子に分不相応であると分かっていた。
大我王子に愛され独り占めにできるなんて思っていなかった。
それなのに…大我王子が毎日自分の部屋に通ってくるから…期待してしまった。
自分が毎晩の様に大我王子としている事を、自分ではない側室方と大我王子がするなんて…想像だけで嫉妬し悲しくなってしまった。
「北斗…？どうなの？」
「…ぃ…ゃ…です…」
「ん…？北斗、もう一度、言って？」
「…いや…いやです…ご、ごめんなさい…」
北斗姫の瞳から大粒の涙がこぼれた。
思わず自分の中に秘めていた気持ちが口に出でしまった。
「謝らなくていいから。北斗、なんで嫌なの？ん？」
「ひっく…大我、王子を…好きに…なって…しまいました…ごめんなさい…他の側室方の所に…行かないで…」
「バカだね。本当に北斗って…バカだ」
そう言って大我王子は泣いてる北斗姫を胸に抱きしめた。
桃の国バージョン11〜理由が分からない〜→←桃の国バージョン９〜仮初の優しさ〜
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おゆまる(プロフ) - 950618さん» コメントありがとうございます(^-^)私も「桃の国」バージョンを早く書きたいなと思いながら最後にとっておきました(o^^o)大我王子の後宮に入る北斗姫をお楽しみにしていてくださいね！ (2020年8月11日 22時) (
レス) id: fbd0396cf8 (このIDを非表示/違反報告)
950618(プロフ) - 桃の国バージョン待ってました！北斗姫どうなるのか楽しみです！ (2020年8月11日 12時) (レス) id: deccfec011 (このIDを非表示/違反報告)
おゆまる(プロフ) - やんちゃるもんちゃさん» コメントありがとうございます。虜になったなんて言って頂いて…！ありがとうございます！これからもお付き合いいただければ嬉しいです(o^^o) (2020年7月5日 20時) (レス) id: fbd0396cf8 (このIDを非表示/違反報告)
やんちゃるもんちゃ(プロフ) - BLに興味のなかった私が一夜にして虜に…おゆまるさん恐るべし (2020年7月5日 13時) (レス) id: 3f51932bf1 (このIDを非表示/違反報告)
おゆまる(プロフ) - みんとさん» コメントありがとうございます！私の書くきょもほくを好きになっていただき嬉しいです(o^^o)更新、不定期になりますが頑張ります！ (2020年5月22日 20時) (レス) id: fbd0396cf8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おゆまる
| 作成日時：2020年5月19日 17時
