桃の国バージョン８〜赤い花びら〜 ページ34
「ん…あ、さ…？」
バルコニーに面した大きな窓から朝の日の光が差し込んできた。
北斗姫は1人広いベッドで眠っていた。
「大我…王子…？」
部屋には大我王子の姿はなかった。
北斗姫はそっと体を起こしてみるが…体が自分の体じゃないみたいにギシギシしていた。
コンコン
部屋の外からノックが聞こえ、年配の侍女が入ってきた。
「失礼いたします。姫様…お目覚めでしょうか？」
「はい、起きてます…」
「姫様…お体大丈夫でしょうか？大我王子から今日は姫様を労わるようにと言われております。大我王子から姫様宛にカードをお預かりしてあります」
侍女は北斗姫の側まできて、そっと大我王子のカードを北斗姫に手渡した。
『北斗の体に散った赤い花びらが消えないうちにまた来ます。今日はゆっくり休んでください』
カードには、そのように書かれていた。
体に散った花びら？
北斗姫は意味がわからなかった。
北斗姫が首を捻って考えていると侍女が声を掛けてきた。
「姫様…湯浴みをしましょう。私が姫様を綺麗にいたします。姫様はゆっくりリラックスして湯に浸かって下さい」
「場所さえ教えて貰えれば、1人で湯を使いますから大丈夫ですよ？」
北斗姫はベッドから立ち上がった、が、その瞬間、体がぐらりと揺れた。
なんと…北斗姫は1人で立ち上がることが出来ず
倒れそうになったのである。
それを侍女が咄嗟に支えた。
「姫様…私が一緒に付いて参ります。私に体を預けて下さいませ」
「ごめんなさい…」
北斗姫は侍女がに支えられながら浴室に向かった。
浴室で湯に浸かるため、着ていたローブを脱がなくてはいけない。
北斗姫は恥ずかしかったが、侍女は北斗姫の湯の手伝いをするつもりでいる為か離れる気配は無かった。
「姫様、恥ずかしくありませんから、お脱ぎ下さいませ」
北斗姫は侍女にそう言われ、諦めてローブを脱いだ。
浴室の鏡に写る自分の体。
その鏡の中の自分の体には、大量の赤い花びらの様な痕が付いていたのである。
「あ…」
北斗姫はそんな自分の体を見て真っ赤になった。
そして、大我王子から貰ったカードの内容が分かったのであった。
『体に散った花びら』とは、この赤い痕の事だったのか…。
「姫様、恥ずかしくないですから。大我王子に愛された証ですからね。さあ、湯に浸かって下さいませ」
北斗姫は自分ではままならない体を侍女に世話をしてもらいながら、恥ずかしそうに自分の体を抱きしめながら湯に浸かった。
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おゆまる(プロフ) - 950618さん» コメントありがとうございます(^-^)私も「桃の国」バージョンを早く書きたいなと思いながら最後にとっておきました(o^^o)大我王子の後宮に入る北斗姫をお楽しみにしていてくださいね！ (2020年8月11日 22時) (
レス) id: fbd0396cf8 (このIDを非表示/違反報告)
950618(プロフ) - 桃の国バージョン待ってました！北斗姫どうなるのか楽しみです！ (2020年8月11日 12時) (レス) id: deccfec011 (このIDを非表示/違反報告)
おゆまる(プロフ) - やんちゃるもんちゃさん» コメントありがとうございます。虜になったなんて言って頂いて…！ありがとうございます！これからもお付き合いいただければ嬉しいです(o^^o) (2020年7月5日 20時) (レス) id: fbd0396cf8 (このIDを非表示/違反報告)
やんちゃるもんちゃ(プロフ) - BLに興味のなかった私が一夜にして虜に…おゆまるさん恐るべし (2020年7月5日 13時) (レス) id: 3f51932bf1 (このIDを非表示/違反報告)
おゆまる(プロフ) - みんとさん» コメントありがとうございます！私の書くきょもほくを好きになっていただき嬉しいです(o^^o)更新、不定期になりますが頑張ります！ (2020年5月22日 20時) (レス) id: fbd0396cf8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：おゆまる
| 作成日時：2020年5月19日 17時
